12 雨
雨が降ると
路も
家並も
歩く人も
存在を
したたり濡らし
手触りできる
立体となる
樹々の緑は
緑を極めようと
息を詰める
動きは席を譲り
在ることの静かさが
風景を領する
今
在るものは
在り様を
吟味するのだ
雨は白く降り続け
それらのものを
釘付けにする
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