My Favorite Works ~一分で読めるお気に入り作品~

上地王植琉【私訳古典シリーズ発売中!】

No.01 【小説】1984年

『1984年』(原題: Nineteen Eighty-Four)

作者:ジョージ・オーウェル

初版:1949年


 記念すべき第一回はやはりこの作品。もはや紹介するまでもないディストピア小説の金字塔『1984年』。

 プロパガンダやニュー・スピーク(新語法)によって国民の思考すらも奪われ、過去すらも党の都合のいいように改ざんされてしまう1984年(なのかどうかもわからない)の全体主義国家オセアニアが舞台。真理省に勤める小役人のウィンストン・スミスが現体制の在り方に疑問を持ち、極刑に値する「思考犯罪」を犯しながらも、党の打破のために暗躍している「ブラザー同盟」に接触していく……という内容。

 全体主義社会の恐怖を描き、冷戦時代においては反共産主義のバイブルにもなっていた。テレスクリーンによる完全監視社会は現代社会にも通じ、現在、中国が導入している社会信用評価システム「芝麻信用」がそのアップデート版といったところ。我々の自由は、あくまでも脆いものだと実感させられる。


 ……ぶっちゃけ、この本の感想は一分では収まり切らない。初っ端からエッセーの趣旨が大崩壊している。

 また、どうでもいいが、漫画『バーナード嬢曰く。』の登場人物、神林しおりがベスト1に上げる小説でもある。

 オーウェル作品には他に『動物農場』もあるが、これはまた別途紹介していきたい。


おすすめ度 ★★★



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