第68話 青いゲレンデ

 ゲレンデの上空は青いスカイブルー。遠くには白いアルプスが見える。


 リフト券を手にして、並んでリフトを待っていたら、同じ列に並ぶ女性がいた。


 赤と白のクロアチアの国旗みたいなウェアに、白いニット帽を被り、目にはアイシャドウ、大きくパッチリとしたその瞳はアーモンド形で、その瞳で見つめられると頭が真っ白になりそうだ。


 そして何よりも、彼女の透き通るような白い肌は雪のように美しく、人々をトリコにしてしまうだろう。


 しばらく彼女を眺めていたら、彼女のリフトの番になった。彼女がリフトに乗った。


 僕はその姿を見て、彼女が乗るリフトの座席になりたいと思った。

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