第五話だ!!まだ続くぜ男の俺!!

多分十話以内にはTSするはずだ!!!区切り何か付けずに書いたからどこでTSするか正直わからないぜ!!でも十話は超えないはずだ!!


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おらおら!ワカメ野郎が女と密会を終えて翌日だ!


一応、然り気無く昨日は何したって聞いたら済ました顔で何でもなかったかのようにかえしやがった!絶対嘘だ!あの女の子結構かわいいしなんか雰囲気もいい感じだから、俺が離れたあと絶対いい子としたに違いないぜ!あいつは意外と度胸あるし、据え膳を食わないヘタレじゃないしな。


ぺろっ。。。これは青春の味だ!


それにこいつの今の見た目も陰キャじゃなくなって、俺が色々と進めたら、あらビックリ、もじゃ天然パーマワカメ陰キャが派手すぎず落ち着きのある細マッチョイケメンになりやがった!!イメージはペソなルナのメガネなし版主人公だ!くそ!アドバイスするんじゃなかったぜ!


まあ、陰キャはなくなったけど、あいつが二次元の美少女に欲情するスケベオタク野郎であること変わらないな!この前何か興奮気味で来月予約販売を開始するゲームキャラの限定フィギュアについて語っていたし。


というわけで豪運 初心者レアキャラ全コンプ 攻撃は存分に聞いたぜ!!アーケードのレアキャラカードと俺のスマホで並んでいたUR レアキャラ を見せたら、数分絶句したあとやつは体育座りで部屋の片隅にいって廃人のようになんかぶつぶつと呟き始めたぜ!こんなの嘘だ 僕の今までの(爆死して出た)涙と努力(してバイトしたお金で追い課金)は一体。。。 等々、そんなこと言っていたぜ!!


愉快だ愉快!!と俺も存分にゲスな笑いを心のなかに浮かべ、満足した!でも流石にここまで落ち込むと可愛そうだから、今度何か奢ってやるよとやつを励まそうとしたら、やつはふっと顔をあげて今までの落ち込むが嘘のような顔になり、いきなり俺に ごめんちょっと急用思い出した。本当に悪いんだけど先生が来たら具合悪いって伝えて と、それだけ言って慌てて教室を出ていった。


困惑した俺は当然なぜ奴がそんなに慌てるのか気になったが、まだ補習終わってないしここで俺も出ていったら流石に言い訳してくれる人もいないし、俺たちがサボったと知ったら今の量より数倍ある課題を増やしかねないのが指導先生の村田先生だ。そして奴が帰ってきたら絶対課題の量で死んで俺も死ぬ!!


なので今回は大人しく久々に教室で一人で黙々と勉強をした。幸い補習時間が終わるまで先生は来なかったぜ。だけど奴も帰ってきてないのでその日俺は一人でどこにもよらず帰ったぜ。なんか興醒めてやつにいたずらしたのを悪い子としたようであの日の俺は少し落ち込んだ。落ち込ませる側のはずなのにな。不思議だぜ。


しかしそんな落ち込みも翌日にはすぐになくなったぜ。むしろざまみろ感が増えた。


翌日相変わらず補習を受けに学校に向かった俺は廊下で奴が包帯やら絆創膏やつを体のあちこちに巻いていて驚いた。事故か何かに巻き込まれたのかと心配してやつに声をかけようと、俺はさらに驚くことになった。


なんと俺が声かける前にやつに美少女集団が声をかけてきたのだ。


そう、集団、つまり複数の女性に声をかけられた。中には前日見たことのある少女と、なんと俺たちのクラスメイトの姿がいた。言い忘れたが俺とワカメ野郎は同じクラスだぜ。


で、一人だけでも重罪なのにこれは死刑だ。


やつと美少女ズの会話は明らかに義理で怪我の心配をするのではなく、なんかただの知り合いより親しい態度だった。


美少女ズの中にいるロリっ娘なんか恋する距離でやつに よう先輩よう先輩 とメスガキの鳴き声で媚びてやがってるし、なんなんやこの状況。


と、困惑したもののやつの怪我も心配だから、俺も美少女ズを無視して声をかけた。あとこんだけいるなら一人ぐらい俺に紹介しやがれと内心で叫んだ。


おいおい、その包帯どうした?トラックにでも跳ねられたのか?よく異世界転生しなかったなお前。あとなんでこんなにかわいい娘と仲良く会話してんだ?俺にも紹介してくれよ


必殺技 チャラ男風友達 を使い、気まずくならないように会話に混ざった俺。よし、今まででまともに女と会話した回数は少ないけど、こうやって軽い感じを出してれば場の雰囲気を乱せず会話に混ざることも可能だとこの前読んだ本にかいてあったからな。第一印象としては完璧なはず。


「誰ですか?」


しかしいくら俺の見た目と雰囲気が軽くても女子というのは警戒心の強い生き物だ。いきなり割り入った知らない人には流石に先までのバトルアニメの日常シーンの雰囲気も続けられない。美少女軍団の一人が代表するように俺にそう聞いてきた。


だけど心配はない、これも戦法のうちだ。確かに俺の見た目はワカメ君と一緒に並ぶと場合によってはいじめられる陰キャといじめっ子の不良に見えなくもないが、印象が悪ければ悪いほど本当はいい人だと知った時の警戒心のはそれだけ緩くなるものだ。名付けて『チャラ男な見た目で怖がらせてあとで警戒心下げてチョロインにする』作戦 。


「俺は木霊凜で、こいつと一緒に補習受けてるソウルフレンドだよ」


猫を相手にするような、優しい笑顔と声色。怖くないよと伝えるためにも言葉選びも気に掛ける。


だが、相手も流石にこれだけは警戒心を解かない。尻尾があったら絶対フーフーと毛が逆立ってることだろう。


ここで彼女たちと既に知り合ってるワカメ君こと洋の出番だと、隣にいる親友にアイコンタクトを送る。お前の出番だぞと。


「なんか僕の時と初対面に対しての態度違ってない?」


しかしやつは何故かジト目でそう返された。お前、そういうとこやぞ。


「いやいや、野郎と美少女の対応ぐらいちゃんと別にしてるよ俺」

「はぁ...いつか無自覚な差別発言で炎上しないか僕は君の将来が心配だよ」


そりゃ、男と女にはダブルスタンダードにもなるだろ?だって、男は女と違って演じなくても接せるからな。


まあ、それはともかく。


「うん、まあ、皆もそう警戒しなくてもいいよ。見ての通り僕と凜君は補習仲間だ。こんな見た目だからよく勘違いされそうだけど、こう見えて僕と同じ重度のオタクだよ」


おい、こら!一言多いぞ。


けど、ワカメ君の言葉が聞いたのか。彼女らの表情が明らかに警戒心を解けて柔らかくなった。


「なるほど、てっきり洋君をいつもカツアゲした挙句、そのお金でパシリに焼きそばパンを買いに行けせて、それで買えなくて洋君をボコボコにしてるヤンキーかと思ったけど、洋君と同じく二次元のキャラクターに興奮する重度のオタクならば、大丈夫ですね」


うわぁ、いきなりペラペラと長い皮肉を言ってきたよこの美少女ズ代表の子。流石に俺もドン引きや。


「私は大堂要です、洋君とは昔からの知り合いで、いわゆる幼馴染なんです。洋君とあなたと同じ高等部1年生ですけど、クラスは1Cです」


美少女ズ代表、改めて大堂要が自己紹介した。そして次々と順番に他の人も自分の名前を言って自己紹介をする。


「家弓華音...中等部3年...」


先までべたべたしてた洋を取られて要の後ろに逃げ込む無口ロリっ子家弓華音。


「安養寺カリナ、2年生だ。バスケ部の副部長をやらせてもらってる」


安養寺カリナ先輩。噂に聞く高身長モデル体型の美人先輩は生で見ると迫力が違うな。色々とでかいからな...


そして最後の一人は三人が自己紹介を終えたにも拘らず、数十秒経ってもそっぽを向いたまま会話に参加しようともしない。


要が「りっか」というまで、彼女はばつ悪そうにこっちを見てから、しょうがないとため息をはいてようやく自己紹介してくれた。


「桔梗六花よ。...今更する必要がある?」

「そりゃあるさ、同じクラスでも、俺ってまともに君と話したことないし」

「先生方に迷惑かけてるような人とは話したくないから」

「はは、相変わらず手厳しいな」


桔梗六花。俺と洋と一緒に1Aクラスに所属してる女子生徒だ。


基本的に俺の落ちこぼれっぷりはクラスメイト達は興味ない感じだが、彼女だけは一度俺と話したことがある。


まあ話すというか、一方的に話しかけられただけだが。


と、とにかく。


「まあまあそう言わずにさ。同じく洋との知り合いってことだし。それより本当にその怪我はどうした?」


自己紹介が済んだところでさっさと本題に入ろう。洋の怪我っぷりは今目の前にいる美少女と仲良くするより大事に思えるほどの重傷だ。

頭と片腕と両足。本来なら入院するレベルなのになんで平気と歩いてるのかね。


「まあ、大したことないよ。ちょっと自己っただけで、大体かすり傷なんだ」

「嘘つけ。かすり傷でそんなけミラーみたいに包帯巻くか?」


包帯は巻いても歩けるってことは骨折じゃなく、外傷だけの傷か。どちらにしてもかなり重傷なのは間違いないけど。


「いや、なんというか...火傷?みたいな感じかな。これから保険の治癒魔術師に見せてもらうからもう大丈夫だよ」

「全然大丈夫じゃねえじゃねえか。まあ火傷ぐらいならパパっと直せるか。けど直せるといっても治癒魔法を受けた後は体力を消耗するはずだろ?今日の補習俺が先生に言ってやるから直してもらったら帰って安静にしていいぞ」

「そのチャラいな見た目でそんな優しいセリフ言われるとなんかすごいシュールだね」


うるせー!こういう恰好は女子受けがいい(らしい)からいいの!優しいヤンキーって感じでいいやんか!


「ま、言葉に甘えるよ、ありがとう」

「おう。おっと、もうそろそろ先生が来る時間だ。俺は先に急ぐぜ!大事にな!」

「うん、また」


そういって手を振りながら俺は指導室に向かった。


これが俺が奴と夏休み中に最後に会った時だった。







で、夏休みも終わって、実力を平均値まで上げた俺が学校に登校すると、俺がやつにするいたずらが幼児の戯れのように思える場面を見た。


「洋君あ~ん」

「洋、洋、私のも食べて」

「これは余っただけだから、別にあんたのために作ってきたわけじゃないわよ。さっさと食べなさい」

「ほら洋、幼馴染様の手作りだよ、あ~んしてあげるからこっち向きなさい」

「う、み、皆...」


あの時、俺がいる時は普通の表情の少女たちが、昼休みにぞろぞろとうちのクラスの教室にきてワカメ野郎を囲んで取り合った。妙に顔をとろけながら。

今朝ようやく正式にこのクラスの転校生として紹介されたにもかかわらず、さっそくハーレムを展開する我が親友宿敵。なんやこいつ?


「り、凜!助けて!」

「は?誰だお前?」


何か助け求めてきたけど、こんなやつ知らんわ。


当然、俺だけではなく周りの、クラス男子全員は洋に対して親の仇のような視線を向けた。そして女子はニマニマニヤニヤとなんかひそひそ要たちを見ながら話している。


「あれカリナ先輩でしょ?」

「うん、顔はあの『王子』とは程遠いけど間違いなくそうだわ」

「というかあの子も中等部の『静寂』でしょ?」

「うん、ていうか六花さんまで完全にテンプレのツンデレになってるし」

「どんだけ女を誑かしてるのうちの転校生って」

「でもあの顔はなんか納得できるかも」

「まあね。イケメン過ぎずかといってフツメンでもない。いい感じに背が高いし筋肉もありそうだし、意外と頼り甲斐がある男って感じ」

「しかも学校に編入してきたんでしょ?なら実力もそこそこあるに違いない」

「まあ、あのカリナ先輩が認めた人物だしね」

「というか誰が本命だと思う?」

「私は幼馴染の要さんに50ペリル」


と言った感じで、わけわからん専門用語を並び続ける解説モブっぽい会話を繰り広げるうちのクラスの女子たち。


まあ『王子』とか『静寂』とかは、簡単に説明すると、うちの学校の生徒はそういう有名人や成績トップの人たちに二文字で異名をつける風習があるらしい。


とにかく、そういうわけで男子からは羨望の眼差しで女子にはゴシップという転校生だけでも相当な話題なのに初日から一気に注目の的になったワカメ君。


絶対同類ボッチだと思ったのに、いつの間にか複数の女を侍らせて、学校中の生徒たちから注目を集めた期待の新人になった高峰洋。


俺としては10年間ずっと付き合ってきた親友に後ろからぶっすと刺されて裏切られた気分だ。まあ本当は1ヶ月程度の付き合いしかいないけど。


ともかく俺は今とても怒ってます、とその感情を明らかに顔に出してまだ諦めずに助けを求めてきたワカメ野郎を見ると、露骨に犬が落ち込むしゅんと表情で見てきた。


ふん!ハーレムを築く貞操観念の緩いヤリチン野郎なんかお母さん知りません!!


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友達が異性にとられまいかと思って嫉妬するその無自覚な熱い友情!!うまい!うまい!!

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