第三話だ!!もうサブタイのネタが思い浮かばないぜ!!

言い忘れてないけど一話二話でいうのもあれなんだしここで言うわ!!TSするのはまだ先だ!!でも背景(男だった時の話)があるからこそTSものは美味しいと作者は思うぜ!!意味もなくTSするとこれ居る?ってなっちゃうからな!それでも美味しいがな!!(雑食


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おっす、相変わらず覚醒イベントもなく、かと言って悪い方にさえ目立ってない隠れ転生者木霊凜です。


そんなわけで前回に続き、俺の学園都市にある国トップクラスの魔法学園、改めて魔星まぼし学園の一年生としての夏休みを紹介するぜ。


補習補習&補習、以上だ。


何これ?は?なんで皆が夏休みを満喫してるのに、ツンデレな幼馴染から夏祭りのお誘いが来てそれで一緒に行ったが最近仲良くなった彼氏持ちの後輩と一緒にいる場面を目撃され勘違いされて色々とドラマがあったが、夏休み最終日にやっと二人の思いが通じ合い、それでも幼馴染の引っ越しによって結局二人は結ばれず、十年後の再開ではあの時の別れ際に残した涙を流した幼馴染の笑顔が頭から離れられないまま彼女が花嫁姿になってるのを見て思わず胸がずっとどこか悲しい気持ちと幼い頃の初恋を懐かしむ感覚を覚えて...のような展開をクラスメイトや同級生の誰かがしているかもしれないのに、何故わいだけ淡々と毎日学校に通い、上達にも繋がらないつまらない授業を受けなきゃならんのだ!!(憤怒


まあ、おかげである程度クラスの授業に合わせられるぐらいまでは実力が上がった気がするが、それはそれである。


折角転生したのに、ハーレムもの主人公になれずとも、一人の彼女ぐらい甘酸っぱい精神がしたいんじゃ!!(怒り


あああああ!!!!<どうどう、ステイ、ステイクール凜君。君はいつだって冷静沈着のはずだ。そんなになっては読者さんがなぜ君がそんなに怒ってるのかわからず仕舞いになっちゃうぜ。


見ての通り俺の怒りとイライラ(一緒)はかなり限界まで達している。


まあ、かみ砕いて説明してもいいが、それでは文字数的に味気ないのでここで俺が魔法使いとしての腕を見せて作者が文字数をたっぷりと稼げる呪文を唱えよう。

『事の始まりは8月の初週にまで遡る...』





補習が始まって2週間、このまま(指導の先生を除き)孤独に夏休み過ごしてしまうのかと指導室で葛藤してると、聞きなれない声が部屋の入口から聞こえた。


生徒指導の先生は既に俺になんかわけわからん量の課題を投げ出してどっかに言っていたので、間違いなくそれ以外の誰かだ。


「し、失礼します。あの、ここって村田先生担当の指導室で間違いないですか?」


弱弱しい口調の癖に程よい圧のある少年の声だ。見た目はまあ、声と似てぼさ頭に前髪が掛かった長身の男子生徒。


この教室に用事があるのは俺みたいに勉強についていけずテストで数科目の赤点を取った生徒か、素性の悪い生徒だけだ。


例外があるとすれば、この時期にやむを得ない事情があって単位が危うくなってるものだ。


「そうだが、先生に何か用があるのか?あの人どっか出ていったんだけど職員室にいなかったらテニス部にいると思うぞ」


「あ、いや、僕は補習で先生にここに来るように言われたんです」

「ん?俺以外にもいるのか?補習受けるやつって...」

「ああ、実は僕は転校してきてそれで...」

「なるほど、単位か。確かにに来たら足りなくなるんだよな。本当ご苦労様だこと」

「あはは...本当ですよね。でも実力主義って有名なここだから僕は意外と納得してますよ」


乾いた笑いをしながら男子生徒が教室に入った。短い会話で感じ取った印象は意外と見た目に反して、はっきりとした声で喋る人だなと思った。


でもまあ、第一印象は完全にワカメ頭隠キャだからこっそり頭の中でワカメ陰キャって呼ぼう。


ここが目的地であると確認したワカメ陰キャ君は部屋に入り、俺の横に二つ離れた席に着いた。遠すぎずされど近すぎない初対面にしてはまあまあ適切な距離。


彼も既に先生からやるべき課題を渡されたのか手際よく鞄をあさり問題集を取り出してとりかかった。


しばらく数十秒の静寂が訪れたあと、最初にそれを破ったのは以外にもワカメ陰キャ君だった。


「あ、お名前伺ってもいいですか?」


彼の言葉に一瞬首元を見てから続けて俺は答える。


「そのネクタイ、一年だろ?俺もだ。だから敬語使わなくてもいいぞ、というか男がそんな口調で話してるとなんかむずむずする」


別に差別思想はないが、なんというか本能が「やめろ!」と訴えるようでまずはその口調を止めさせる。


「うん、わかった。それで...」

「木霊凜だ」

「あ、凜君。僕は高嶺洋たかみねひろし、よろしくね」

「ああ」


背は高いくせにショタみたいな喋り方してんなと思った。まあ、敬語よりましなのでこれ以上は追求しないでおこう。


「凜君はどうしてここに?」

「グイグイ来るなお前...」


しかしワカメ陰キャは攻めを止まらず、まるでギャルの様にこちらが勉強してるのを無視して次の質問を振ってきた


「あはは...でもこんな夏休みの最中に一人で補習とか、なんか悪いことしたの?」


正直に皮肉の様に言ったのにそれでも奴は止めない。はぁ、まあ丁度一人で勉強するのも飽きてきたし、話し相手ぐらいしてやるか。


「お前、さては陰キャみたいな見た目して実はアッパー系陰キャオタクだな」

「アッパー系陰キャオタクって、酷すぎない?」

「明確な悪口言われても怯まないのもそうだからなんだろ?」

「いや、アッパー系かどうかはともかく、オタクではあるけど僕ってそんな陰キャっぽい?」

「ワカメ頭にメカクレ、あと明らかに同い年なのに初対面には敬語口調、あと色々あるけど追加するか?」

「口調は同い年でも初対面には敬意を表すってこともあるでしょう?髪に関しては元々こうなんだから直そうにも直せないよ」

「まあ、他の学校ならセットとかはダメなとこも多いしな、でもここはそういうのはないだから見た目には気を付けた方がいいぞ」


ここは実力主義だ。髪型が生徒の規則正しさを磨くなんて考え方は持ち合わせてない。実力があればリーゼントでもエッフェル塔でも好きにすればいい。


「そうだね。忠告ありがとう。でもそれいったら君も大概じゃない?金髪にイヤピース。あとその着崩れって感じで完全反省しつにぶっちこまれるヤンキーそのものだよ?」

「遠慮ないなお前。まあ、俺もだけど。俺のはいいんだよ、こういうのが好きなんだから。あと金髪じゃなくて、ブロンドな」

「同じだと思うけど」

「全然違うぞ。お前、さては彼女いたことないな?こういうのは細かく気にした方がモテるぞ」


俺も彼女いたことないがな。


「別に僕はモテたいわけじゃないんだけどね。まあ陰キャに見えないようにはするかな。それで、結局のところなんでここにいるの?やっぱりなんか悪いことした?」

「違うわ!本当のヤンキーなら顔面ぶち込まれたぞお前。...まあなんだ、単に赤点取っただけだ」

「やっぱりヤンキーじゃん、不真面目じゃん」

「だから違うって、こう見えて俺はがり勉だぞ」


学年最下位だけどな。


「はあ、お前まだ転校してきたばかりなんだからわからないだろうけど、この学園ってバケモンだらけだぞ。俺がどれだけ必死に勉強して必死に魔法練習したのか、あいつらはそれをさも当たり前のようにそのレベルを超えるんだ」

「ヘ~」


まあ、こうやって馴れ馴れしく俺と会話してるこいつも、この学園に転校してきたんだからもしかするとそいつらと同じ化け物なのかもな。


と、あまり関わりたくない俺の気持ちを無視してワカメ陰キャが会話を繋いでいく。


「言い過ぎてるんじゃないの?僕もそれほどの自身がある方ではないけど、少なくとも転入試験はそんなに難しくないよ」

「試験はな。正直あの程度であれば髪が十分の一抜けるくらい頑張れば誰でもできると思うわ」

「十分の一って...嫌な例えだな...」


例えじゃない、実際入試当時の俺は少し自分の頭部が薄く感じたんだ。今は生え直したが。


「で、入学後の授業内容がどれくらいか大変というとその試験の十倍、つまり頭部の毛が十分の十、禿げる覚悟でやらなきゃいけないくらい難しい」

「うわぁ、すげーいやな例え」


だから例えじゃない。明らかに頭部が入試より薄くなってると気付いた時に、俺は全ての努力を下げた。おかげで己の尊厳は守られたが、点数が犠牲になった。


「まあ、一応僕も気を引き締めていくよ」

「そうか?でも、もしかしたらお前もあいつらと同じく化け物なんじゃないか?それだと俺の忠告もいらんお世話になるがな」

「いや、それはないよ。確かに入試は難しくないと感じたけど僕の点数もそこまでじゃないよ、ていうかギリギリだしね」

「は、どうだかな」


その後、何故か初対面なのに遠慮のない俺たちの会話が補習時間が終わるまで続いてた。


##


主人公のハイテンションはあくまで頭の中だけなので

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