5/21 君は、北米版のヘタリアを観たか!?

 神話、伝説、時代劇。歴史小説に、ファンタジー。この世の中、様々な物語が存在するが、誰しもが一度は思ったはず。


「この人たちって、どうやって意思疎通してるの?」


 言語に関する言及があれば、「あ、そうなのね」と納得できる。だが大抵は、そんな面倒くさい説明はない。日本人も中国人も、イギリス人もフランス人も、涼しい顔で会話をしている。一体彼らは、互いに何語を喋っているんだ? メタいことを言うと、例えば神さまと人間って、普通に会話ができるのか? だとしたら、彼らにとっての共通語って、一体何なんだ? ……こんなことを、思うわけだ。


 確かに、あまりに忠実に再現しすぎると、鑑賞する側の負担になる。日本の時代劇ですらカオスになるのだから、国を跨いだ途端、大変なことになるのは目に見えている。


 個人的には、アーサー王伝説が例えやすい。キャクストン版での物語にて、ラモラックという騎士が、コーンウォール地方のマルク王と出会う場面がある。王は素性を隠しているのだが、彼の話す言葉を聞いて、ラモラックは彼を「コーンウォールの騎士だ」と判断する(実際、マルク王はコーンウォールの王である)。簡単に言うと、関東の人が関西方言を聞いて、「この人、関西の人だ」と思うのと、おおよそ似たようなものだろう(多分ね)。ブリテン島の中だけでこうなのだから、ランスロットだとかパロミデスだとかは、ちゃんと意思疎通ができていたのか、不安になる。


 おそらく、アーサー王の御前では、宮廷言語を喋っていたに違いない。あの時代だと、中世ラテン語とか、そこら辺だろうか。とにかく、登場人物全員が分かる言葉でないと、そもそも話が進まないわけだ。ここら辺も、おいおい調べてみたいなぁ~。


 と、ここまでが前置き(長っ!)。


 さっそくだが、皆さん、北米版のヘタリアを観たことがあるか!?

 えっ、観たことない? なるほど……。まぁ、それはそれで良い!


 北米版のヘタリアは、その名の通り、キャラクターが英語を喋る。原作は日本語なのだが、日本語版のヘタリアは、声優の違いこそあれ、特にキャラクター間の違いはない。だが北米版は、キャラの台詞をよ~く聞くと、訛った英語を喋っている。思い込みかもしれないが、確かにドイツとフランスでは、どの音を発音するだとか、どの音が抜けているだとか、そういう細かい所が違う。アメリカはThe・アメリカといった感じだし(?)、ロシアも微妙に発音が違う。ベラルーシは可愛いし(私が好きなキャラクター)、イタリアはマ〇オみたいだし(笑)、とにかく聞いているだけで楽しいのだ。


 この時代、英語を使うということは、違いを楽しむ上で面白い。みんなが同じ言語を喋ってみると、きっとこういう感じなのだ。そんな気分にさせてくれる。


 伝説に出てくるような昔の人も、陰であれやこれやと苦労しながら、意思疎通をしていたのだろう。こんなことを考える、休日なのであった。


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