5/12 ちゃうねん! べらべらべらべら~! 知らんけど!

 ご存じない方が大半だとは思いますが、実は私、関東出身の関西学生です。大学が関西にあるので、今はアパートで一人暮らしをしています。


 ある地域から別の地域に行くと、まずは文化の違いに驚かされます(反対に、私の文化が違うことにも驚かれます)。今はインターネットが発達しているので、「未知のことだらけ」というのも稀ですが、それでも「知っているだけ」の状態と、「体験したことがある」状態は、似ているようで違いますよね。


 身近なところで言うと、関西地域のお弁当の卵焼きは、全く甘くありません。関東の卵焼きは甘い味付けが多いのですが、逆に大学の友人からは、「甘い卵焼きで、ご飯食べられるん?」と言われました(特に意識したこともなかった……)。スーパーには「紅ショウガ天」なる謎の天ぷらが売っているし(美味しいらしい)、「たぬきうどんって何?」と言われるし(しかも、大阪と京都で言っていることが違う)。「モータープール」の意味は分からないし(モーターがプールしている場所です)、鹿が変な所で草を食べているし(これは奈良市)。……まだまだ探せば、いっぱいあります。


 さらに分かりやすいのは、言葉の違い。関西地域の主流は「関西方言(いわゆる関西弁)」であり、イントネーションの類もそうですが、単語や表現、さらには会話スタイルまで、様々な部分が関東地方とは違います。


<中田的エピソード>

・「この皿、直しといて!」と言われた私の友人、皿の割れ目を必死に探す。

 (いわゆる、「片す」ってやつです)

・京都出身の友人は、「大根は炊くもの」だと言っていた。

 (お米も炊くけど、大根も炊く)

・「マ『ク↑』ド」、「ス『タ↑』バ」、「ユ『ニ↑』バ」

 (真ん中の音がアクセント?)

・敬語表現「~はる」、多用される。

 (「何々しはる」という表現、よく聞く)


 ……という感じで、エピソードは色々とあるのですが、特に印象に残っているのが「知らんけど」という言い回し。会話文の最後につけることで、断定を回避しているのだと、私は解釈しています(友人も、同じようなことを言っていました)。


 ここで一つ、関西コミュニケーション講座。「知らんけど」で会話を終える前に、「ちゃうねん」で会話を始めて見ましょう。「ちゃう」は否定を表す言葉ですが、会話を始める「ちゃうねん」は、相手の言葉を全否定しているわけではありません。いわゆる、会話のスタイルみたいなものです。……多分ね。


A「~やんなぁ?」

B「ちゃうねん! べらべらべらべら~! 知らんけど!」


 同じ関東出身の友人は、「知ってるのか知らないのか、はっきりしろ!」と言っていましたが、段々慣れてきたそうです。まぁ、「はっきりしろ!」と言われても、どうしようもないですよね。だってこれが、関西スタイルだから! ……知らんけど!

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