第154話 サリアのポテトドリアとエルフの国の街並み!
門を抜けると、大通りが広がっており、道行く人全てがエルフである。とりあえず、全員が美男美女揃いであり、リーリヤの言った通り個性的な服装や多数が着ているので流行りの服装なのだろうという格好をしている人も大勢いる。
街並みも魔国と変わりないし、異世界のイメージ通りであった。
「本当に、魔国と変わらない街並みですね。むしろ装飾やら家もそれぞれの色合いや形でオシャレですよ」
先程言った通り、基本的な街並みの作りは変わらないのだが、装飾やら家のデザインやらがやたらとオシャレなのである。
「さっきも言ったけど、エルフは美に対して凄い執着があるのよ。だからドワーフも大変だって言ってたわ。でも、新しい様式や新しい建物を作ることができるって張り切ってもいるのよ」
プロ意識が高いドワーフだからこそ妥協を許さないのだろうけど、普通なら途中で投げ出すか?何度も作り直しを要求された時点で喧嘩が起こるだろう。
「エルフとドワーフのイメージが、かなり変わりまし...いや!よくよく考えたらサリアとリーリヤもオシャレだし、バルトもプロ意識が高いし、そのままのイメージなのか...みんなが近くに居すぎて気づきませんでしたよ」
そんな感じでエルフの国を見ていたら、娘たちも感動しているようだ。
「お父さん、かわいい家に綺麗な道ですね。カラフルな石畳とかおもしろいです」
「アニカも、装飾してみたいの。かわいいの」
「僕も、驚きだよ。地球でも見ないような独特の雰囲気があっていいんだよ」
みんなも、綺麗な街並みに興奮しているようだ。
「皆さん、是非夜に街中を歩いてみて下さい。石畳が綺麗に光ったり、装飾されている木に精霊が集まって綺麗に輝いたりしますからね。幻想的になりますよ」
サリアが、みんなに伝える。拓哉一家は、是非イルミネーションを堪能したいなと思うのであった。
そうこうしていると、サリアのお店に着いたようだ。1日目は、サリアが料理を振る舞ってくれるとのことだ。
「ここが、私のお店です。まだ開店前ですので、ゆっくりできると思います。さぁ、中に入ってください」
サリアのお店は、ペンションのような木を基本に作ったようなオシャレな外観だった。落ち着いたサリアらしいお店である。
みんな中に入り、案内されたテーブルに座る。
「今日は、教えてもらったミートドリアではなく、じゃがいものドリアを食べてもらいたいと思います。作ってきますので、お待ち下さいね」
そう言って奥に入っていく。開店前ということで従業員もまだ来ていないようだ。
「木の香りがして落ち着きますね」
ラリサがクンクンと嗅ぎながら、ほわぁ〜んとした顔をして言っている。
「アニカは、眠たくなってきたの。パパ抱っこを要求するの」
「ハハ、食事をしたら抱っこしてあげるから我慢してな。せっかく絶品料理が来るのに勿体ないぞ」
「は〜いなの。アニカ頑張るの」
アニカは、目をショボショボさせながら眠いのを我慢しているようだ。確かに、心地よい風と木の香りで眠たくなるのはわかると思う拓哉。
「下級精霊達が集まっているのよ。サリアが、下級精霊達に食事を与えていたら居着いちゃって。でも、こうやってお客さんに快適な空間を与えるように精霊達がお手伝いしてるってわけ。食事の恩返しらしいわよ」
拓哉達には、見えないが精霊達が飛び回って居心地のいい空間を作っているらしい。ちなみに、シャーリーやビーチェは、上位精霊なので実体化できているのだ。
みんなが、のほほんとしていると、サリアがドリアを運んでやってくる。
「じゃがいものドリアお待たせしました。さぁ〜皆さんいっぱい食べてください」
チーズの香ばしい香りに熱々でジュクジュクと鳴る表面。見ただけで、おいしそうである。
「じゃあ早速...う、うまい。ホクホクのポテトとチーズとご飯の相性が抜群だな。教えてまもないのに、アレンジして作るとか凄すぎる」
「寝るの我慢してよかったの。とろとろホクホクモチモチなの。チーズも、ビヨーンて伸びておもしろいしおいしいの」
「じゃがいもと聞いて味が薄いのかと思いましたが、チーズと濃厚ソースで、丁度いい味わいを醸し出していますよ」
「僕も、知らない料理...ちょっと悔しいけど、素直においしいんだよ。それに、ハーブを細かくしたのと黒胡椒の香りと味も合ってておいしいんだよ」
それぞれの感想を言うとサリアは、安堵の表情と本人は隠しているつもりだろうが、嬉しさでニヤついている。
「サリアさん、驚きましたよ。まさかオリジナルのドリアを作るなんて。しかも、味付けも火加減も見た目も完璧でしたよ」
「ありがとうございます。拓哉さんや皆さんに褒めてもらえて嬉しいです。でも、もっと精進して最高の料理人を目指しますね」
それを聞いた拓哉も、改めて精進し直さないとなと思うのであった。今の目標は、天界で見た茂三である。
その後も、違うドリアやラザニアを子供達が食べたいと言ったので、わざわざサリアが作ってくれて食べたのだが、どれも満足のいくおいしさにみんな幸せな表情を浮かべるのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます