第148話 (後編) 栗ご飯を美味しく食べるみんなとアニカラブな二人組!

アーノルドとルシフェルは、相変わらずアニカを引き留めようとするが、あまりの忙しさにグラデュースが一言言う。


「お前ら、この忙しさがわからんのか?大人しく食事をしろ」


珍しく怒るグラデュース。流石に、世界最強のグラデュースに言われたら、吸血鬼の伯爵も王様も黙るしかなかった。


「アニカちゃんと話せないなどあってはならないことだ。あぁ〜アニカちゃん、今日もかわいいな」


「仕方ないでしょう。古龍様には逆らえませんよ。ですが、アニカちゃんを密かに見守ろうの会としては、1日話せないのは辛いですね」


近くで食事をしていたやつは、いやいやお前ら一切見守ってないだろと、その場でツッコむのであった。


「仕方ない。今日は、アニカちゃんの仕事姿を見ながら酒と栗ご飯を楽しむぞ。それにしても、栗ご飯うまいな。この、ホクホクした栗とモチモチのライスがうまい。あぁ〜そして、かわいいな。やはり王城にアニカ達を招くとしようかな?アニカちゃんかわいい。栗ご飯とアニカちゃん最高の組み合わせだ」


「いきなり王城は、驚くので私の屋敷に招きましょう。ルシフェルは、その次にしてください。って本当においしいですね。塩気を含んだモチモチふっくらのライスと甘みのある栗にアニカちゃんの仕事姿...至高ですね。フフッ」


その言葉を聞いた近くのお客さんは一斉に席を離して座り直すのであった。アーノルドもルシフェルも、周りから引かれていることを一切理解していないようだ。とりあえず気持ち悪いお客さんだ。


「カイル、あれは見ちゃいけないからな。カイルも変なことをされたら、お兄ちゃんに言うんだぞ」


ヤナが、カイルに言い聞かせている。


「うん。お兄様わかりました。何かあったらすぐ言いますね。それより、お兄様栗ご飯おいしいですね」


それを見ていたアレンとモニカは、うちは心配しなくて大丈夫そうだと安心するのだった。


「ヤミンも、変なことをされたら言うのよ。殲滅兵器の魔道具を作ってあの二人を消し炭にしてあげるからね。でも、出汁の聞いた栗ご飯おいしいわ」


「僕は、大丈夫だよ。血を吸われる心配もないし、吸血鬼からしたら天敵だもん。本当だね。栗だけ食べてもおいしいし、ライスだけでもおいしいし、一緒に食べてもおいしいとか最高」


ヤミンとマリーは、相変わらずであり、最近マリーがヤミンを引き取り養子となった。仲のいい親子である。


「アカツキは、あんな大人になったらダメだからね。」


「うん。ぼくは、ぱぱやままみたいな大人になるでしゅ」


フェンは、反面教師を見せるかのように言う。確かにあんな大人になったら白い目で見られてしまうし正解だろう。


「私達みたいなですって! うちの子は立派に育っていて嬉しいわ。それと、栗に似たような味の実がうちの近くにあるし、拓哉さんに栗ご飯の作り方聞きましょうよ?」


「そうだな。僕も、家でこれが食べられるなら嬉しいよ」


栗ご飯も、満足してもらい、なんと拓哉が求めていた栗に近い実があるようだ。


その後は、少し落ち着いてきたので、ラリサとアニカと桜花は、交代で賄いの栗ご飯を食べてもらった。卵焼きと味噌汁もつけてあげている。

その時のみんなの声がこれである。


「ん〜私達が頑張った栗がこんなホクホクで甘みがあっておいしいなんて。ご飯もモチモチでおいしいです。それに、甘めの卵焼きもおいしい〜」


ラリサも、おいしく食べてくれたようだし、甘めの卵焼きに満足してくれたようだ。


「パパ〜おいしいの。甘くてホクホクでモチモチふわふわで幸せなの。味噌汁も、栗ご飯にあっておいしいの」


口いっぱいに入れて笑顔で食べるアニカに、可愛らしいなと思う拓哉。もし、写真が撮れるような魔道具があれば、アーノルドとルシフェルは、パシャパシャ撮りまくっていただろう。


「僕も頑張った甲斐があったんだよ。イガイガの固い実が、こんな柔らかなホクホク甘い実になるなんて想像してなかったんだよ。やっぱり料理は奥が深いんだよ」


料理を作るようになってから、本当に大人になった桜花に、将来は一人で厨房を任せても大丈夫そうだし、貪欲に新しい物を生み出していきそうだなと思う拓哉だった。


それから、23時頃になり子供達は、先に寝かせてお客さんもバルトと小次郎とサリアとリーリヤだけになっていた。


「あの〜拓哉さん、もしよかったらエルフの国に来ませんか?」


急に飛び出したサリアの言葉に「えっ!?」となる拓哉。一体、エルフの国に来ませんかとはどういうことなのだろうか?

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