第141話 フェン一家の移住と開拓予定!
最近フェン一家がよく食べに来てくれている。アカツキは、お子様ランチが大のお気に入りでサキは、ワインがお気に入りのようだ。
「ボーンおじちゃま、メなことしたって聞いたでしゅ。何をしたでしゅか?」
先日起きたボーンスープ事件のことを聞いてくるアカツキ。
「ボーンおじちゃまは、みんなに魔力を与えすぎて頭がクラクラ状態にさせちゃったんですよ。反省したから許してもらえたんですよ」
小さなアカツキにもわかるように、簡単に説明をするボーン。アカツキも理解したのかウンウンと大きく頭を上下させている。
「反省したなら許してあげましゅ。もうしたらメでしゅからね。ぼくは、優しいからオレンジジューシュで許してあげましゅ」
ちょっと文脈がおかしいが、まだ3才児なのである。
「アカツキくんありがとうございます。ラリサさん、アカツキくんにオレンジジュースをお願いします」
ラリサがすぐに「は〜い、わかりました」と言って注文を取ってくれる。
「フェン、移住するって話は拓哉さんにしたのですか?まだなら早い方がいいですよ。最近、竜も移住してきて土地が段々なくなってきましたからね」
水竜と雷竜も移住を決断して、雷竜に至っては生活費と言って初めから黄金を拓哉に渡してあるのだ。
近々、殲滅龍も移住してくるらしい。その所為で土地が少なくなってきているのだ。
「そうなんですね。貴方、どうしましょう?早く移住した方がいいわよね?」
サキが、ワイン片手にムール貝を食べながら話してくる。
「そうだね。今日にでも話してみようか。あ!アニカ...はダメだね。ラリサ、カレイの煮付けとライスをお願い」
アニカは、いつも通りアーノルドとルシフェルに捕まっていた。
アニカと呼んだ瞬間、アーノルドとルシフェルがキッと睨みつけてきたのだ。ちょうど拓哉が通りかかり一部始終を見られていたので、お叱りを受けていた。
「アカツキくん、オレンジジュースお待たせしました。カレイの煮付けとライス畏まりました。少々お待ち下さい」
「ラリサお姉ちゃま、オレンジジューシュありがとうでしゅ。おいちぃでしゅ」
ラリサは、アカツキの頭を撫でて去っていく。未だにアーノルドとルシフェルは、拓哉に怒られているが、拓哉はラリサから注文を聞いて渋々厨房に行く。アーノルドとルシフェルは、反省よりもどちらが悪かったか言い争いを始めている。
「アーノルドおじちゃまとルシフェルおじちゃま、喧嘩はメでしゅ」
「そうなの。アカツキくんの言う通り喧嘩はだめなの。仲直りするの」
アカツキとアニカに怒られた二人は、反省するでも怒るでもなく、デレデレの顔になる。
ダメだあいつらと思うボーンとフェンとサキ。
「カレイの煮付けとライスお待たせしました。アカツキくん、おいしかったかな?」
拓哉が、注文の料理を運んでもらってきた。
「うん。拓哉しゃんおいちかったよ。それより、ぼくたちここにお引っ越ししゅるの。ねぇ〜パパママ」
まだ今日言おうかどうしようか話していた段階なのに、アカツキが自慢気に語ってしまう。子供はよく親の言うことを聞いているとは、このことを言うのだろう。
フェンとサキは、バッとアカツキ見てなんで言うのと言う顔をしている。
「アカツキくん、そうなんだ。みんなかわいいアカツキくんが来てくれたら嬉しいと思うよ。フェンさんとサキさんとりあえず、カレイの煮付けを食べてから話しましょうか。では、俺はまだ仕事が残っているので」
フェンもサキもアカツキを責めることはできないので、仕方ないかという顔をする。それから、カレイの煮付けとご飯を食べるフェン。
「やっぱりおいしいね。ホロホロととろける身に甘辛いタレとライスがよく合うよ。身も脂がよく乗っていて最高だよ」
ライスに甘辛いタレをかけて掻き込むフェン。おいしかったのか、ライスのおかわりを頼んでいた。
それから少し落ち着いてきたくらいに拓哉が席に来てくれた。
「お待たせしました。移住されるのであれば、ちょうどお願いがあるんですよ。ボーンさんにもお願いが」
「なんでも行ってよ。協力できることはするよ」
「先日、失敗しましたし名誉挽回しなくてはいけませんからお任せください」
拓哉が、頼もうとしているのは、土地の拡大である。切り拓いて開拓をしてボーンとマリーに結界の魔道具を作製できないか依頼しようとしている。
「まだ土地はあるのですが、かなり少なくなってきましたから、フェンさんには移住したら開拓の手伝いを。ボーンさんは、マリーと結界の魔道具作製をお願いしたいのです」
「任せて下さい。住んでいた場所も切り拓いて作ったので」
「私も、構いませんよ。神力を身に着けたお陰ですぐ完成できるでしょう」
「では、バルトに頼んで家は作って貰いますので、出来上がったら報告しますね」
こうしてフェン一家の移住とさらなる開拓が決まったのだ。 この土地の戦力は、世界一になったことを拓哉達はまだ知らなかった。
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