第130話 とろ~りクリームコロッケと2匹の竜とグラさん!
いい具合にお酒が入り陽気になっている3人。 そこに、出来上がりのとろ~りとろっとボルテックスクラブのクリームコロッケを持っていく。
「みなさん、お待たせ致しました。 とろ~りとろっとボルテックスクラブのクリームコロッケとライスです。添えてあるソースをつけて食べてくださいね」
ドゥルシッラがいち早くナイフとフォークを手に取り、クリームコロッケを切る。その瞬間、中からトロトロのクリームが溢れ出てくる。
「なんですか!?この食欲をそそるいい匂いに、とろ〜と溢れ出すソース、我慢できません。 んぁぁぁぁ!ボルテックスクラブと乳の味の濃厚ソースがおいしすぎます。 それに外のサクッからの中のトロトロが堪らなくいいですぅぅ」
ドゥルシッラは、物凄い勢いで食べていく。
逆に、見た目がヤンキーそうなテオフィロは、ゆっくり食べ進めている。
「この赤いソースは、トマトか?いや...トマトにしては酸味が少なく他の野菜の甘さも感じる。それに、ハーブのアクセントもあって、このトロトロのソースと相まってうまい。 ライスが進むぞ」
ケチャップとウスターソースとパセリを混ぜたソースのことを言っているようだ。 他の野菜の甘さも感じられるとは、相当肥えた舌を持っているようだ。 そんなことを思っていると、ドゥルシッラは食べ終わったみたいで。
「拓哉さん、おかわりください。 それと、ワインをお願いします」
「俺もおかわりを頼む」
「わかりました。 桜花、ワイン出してあげて」
「は〜いだよ」
ドゥルシッラの食べるスピードに驚きながらも厨房に追加を作りに行く拓哉。
グラデュースは、いつもより食べるスピードが遅く独り言を漏らす。
「確かに、サクトロでボルテックスクラブの濃厚なうまさを引き出した素晴らしい料理なんだが...歯応えが物足りない...バリボリ食いたいぞぉぉ」
ドゥルシッラもテオフィロも周りにいた他の客も、こいつは何を言っているだという目で見る。 だが、アーノルドとルシフェルとアニカは、追加注文したポテトフライをシェアしながら食べており、竜の会話などどこ吹く風であった。
「ドゥルシッラさんとテオフィロさん、追加お待たせ致しました。 グラさんはお口に合わなかったかな?」
珍しくゆっくりなグラデュースに尋ねる拓哉。
「歯応えがなぁぁ...バリボリしたもの物を食べたくなるんだ」
顎に手を当てて考える拓哉。 ネットショッピングを開いてあるものを探す。
「グラさん、この堅焼きせんべい食ってみて」
グラさんは、なんの迷いもなく口に運ぶ。
パキッボリボリボリといい音をさせている。
「おぉこれは素晴らしい。 香ばしいしょうゆの風味、それにこの歯応え。 すまんが、これを家で食べたいから持って帰れるように頼む」
堅焼きせんべいを気に入ったグラデュースは、その後もバリボリ言わせながら食べていた。 しかも、しっかりクリームコロッケも食べているので嫌いではないようだ。
「あ!それで拓哉、これが水竜と雷竜の血だ。 あとは、2体だが...威風龍は俺に任せておけ。 殲滅龍は拓哉でどうにかしてほしい...」
もらった血をアイテムボックスに仕舞う拓哉。
「殲滅龍はまだ大丈夫。 豚キムチが完成していないからさ。 ちなみに、威風龍は何が好きなの?」
「確か、団子が好きだったはずだ。 密かに、火乃国に遊びに行ってたみたいだし」
団子?どんなのだろうと思い、ちょうど出身地の小次郎に聞く。
「師匠、火乃国の団子ってどんなのかわかりますか?」
「3色の団子だったな。 黄と赤と緑だったな。全てハーブが練り込まれていたと思う」
あ!3色団子の異世界版かと思う拓哉。
「ありがとうございます。 師匠のおかげで作るものが決まりました。 師匠にもおすそ分けしますからね」
「それは嬉しいな。 久方ぶりの団子、楽しみだ」
ラリサとバルトが、私にもワシにもという目を向けてくる。 ドゥルシッラもテオフィロもグラデュースもだ。
「そんな目を向けてこないでください。ちゃんとみんなの作るから」
何を作るかというとみたらし団子を作ろうと思っている。 しかも、普通のではなく、円形状にした団子の中にみたらしのタレを入れて噛むと中からドバっとタレが溢れ出るというやつだ。 しかも、冷やしてあるから暑い夏にピッタリの菓子になっているはずである。
早速、厨房に向かい作り始めるのだった。
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