クロとヤマ

ヘイ

第1話 ミステリ好き

ヤマ:「はいどもー」

クロ:「どーもぉ! えーと……最近寒いですよね? もう春も近づいたって言うのに」

ヤマ:「あれ、ちょっと?」

クロ:「そんな皆さんにコレ! 背負うカイロです」

ヤマ:「あんまおもろくもないのに突っ走んな」

 

 ペチン。

 

ヤマ:「あ、紹介遅れました。ヤマと」

クロ:「クロで、クロネコヤマ……」

ヤマ:「はいー、ちょっとお口チャックしてね」

クロ:「んんーっ!」

ヤマ:「それでですね」

クロ:「んんーっ!」

ヤマ:「それで」

クロ:「んーっ!!」

ヤマ:「そ」

クロ:「んんんーーっ!!!」

ヤマ:「…………」

クロ:「んふぅっ!!」

ヤマ:「喧しいわ!」

 

 ペチン。

 

ヤマ:「えー、ボクらブラックマウンテンて名前でやらせてもろてますけど」

クロ:「なんや捻りない名前やな」

ヤマ:「えー、これ相談して決めたんですよ。クロヤマって言ってたのにコイツが英語のがカッコええって」

クロ:「なんや捻りがなすぎんねん。なんでオーケー出したんや」

ヤマ:「オマエがカフェで一時間粘ったんやろがい」

クロ:「ブラックマウンテンって語呂悪いわな。真ん中に一個付けたくなるなー」

ヤマ:「ほうほう?」

クロ:「ブラック◯◯マウンテンてな感じで」

ヤマ:「例えば?」

クロ:「ここはやっぱ雷鳴轟くって感じでブラックサンダーマウンテンやろ」

ヤマ:「伝説が始まりそうなネーミングやな。まあ、コンビ名とかどうでもいいねん。そんなん置いといて実はボク、最近映画にハマっとりまして」

クロ:「へー。あ、オレは最近だとね小説にはまってん」

ヤマ:「クロが?」

クロ:「なんやねん。クロが本好きって問題あんのか?」

ヤマ:「いや、クロってオマエだよ」

クロ:「あ、オレか。まあ好きやで」

ヤマ:「えー、どんなジャンルが好きやねん」

クロ:「やー、ミステリーとかホラーやな」

ヤマ:「あ、分かるわ! ボクもね、映画はミステリーとか好きなん」

クロ:「ほんでね、オレも探偵やってみたなってな。ハードカバーの本を枕にして寝てんねんけど」

ヤマ:「いや、普通に寝ぇや」

クロ:「最近、それで寝違えたんやけども」

ヤマ:「オマエ、あん時めっさ恥ずかしかったんやぞ。カフェ入って首こんなんなって! 頭投げんのミスったアンパ◯マンかいなって言いたなったわ」

クロ:「まあええやん、すぎた話は。てな訳でちょっと探偵してみたいから助手役やってや」

ヤマ:「お、ええで」

 

クロ:「こん中に犯人がるわ!」

ヤマ:「待て待て待て! 設定入ってきとらんわ!」

クロ:「被害者は頭部を鈍器で強打され死亡」

ヤマ:「世界観は結構ありきたりやな」

クロ:「犯人はオマエだー!」

ヤマ:「早すぎんねん」

 

 ペチン。

 

ヤマ:「証拠ないやろ」

クロ:「そんなんささーって決めんのや」

ヤマ:「まず舞台設定をボクが知らんのがアカンわ」

クロ:「舞台設定なんて簡単やろ。オレが探偵、ヤマは被害者や」

ヤマ:「ボクに口出すなと?」

クロ:「最近有名やろ、幽霊と会話する系」

ヤマ:「まあ、ない事はないけど。純粋なミステリーとしてアカンやろ」

クロ:「なんや、最近のミステリーなんてゾンビやら幽霊やら出てこんと読まれんやないか」

ヤマ:「偏見やめーや」

クロ:「まず、オレを気持ちよくさせてーな」

ヤマ:「分かった。ボクも簡単には突っ込まんわ。ああ、突っ込まん」

 

クロ:「被害者は鈍器で頭部を強打され死亡」

ヤマ:「…………」

クロ:「外は極寒。外歩くには背負うカイロなきゃ辛いとこや」

ヤマ:「…………」

クロ「つまるところや。犯人はこん中におる」

ヤマ:「どういう事やねん!」

クロ:「いや、分かるやろ。オレらがおる場所は体あっためなヤバいっちゅう話や」

ヤマ:「背負うカイロ関係ないわ! そもそも、防寒具の一つでもありゃ解決すんねん!」

クロ:「おっとこんなところにダイイングメッセージが……」

ヤマ:「無視すんなや!」

クロ:「なになに? 犯人は…………」

ヤマ:「…………どしたん?」

クロ:「……アカン、考え付かれへんわ」


 ペチン!

 

ヤマ:「結局、ボクの出番なかったやんか!」

クロ:「忘れとったわ。で、なんか言い残すことあるんか、ヤマ」

ヤマ:「殺したのクロやろ、シナリオの都合で」

クロ:「二重の意味やんな。シナリオの中で死んだのとヤマの活躍が死んだって意味で。……上手いこと言った思ってんねんか? 調子乗んなや、ヤマ」

ヤマ:「どっちがや。まあ、ええわ。クロに任せたんが間違いやったわ」

クロ:「ほな、どないすんねん?」

ヤマ:「ミステリ言うたら、犯人を追い詰めるんも醍醐味やろ」

クロ:「あかんわ、推理パートに意識が行きすぎておったわ」

ヤマ:「できとらんかったけどな?」

クロ:「次は上手やるわ」 


クロ:「被害者は鈍器で頭を殴られて死亡」

ヤマ:「…………」

クロ:「外は極寒や。逃げるには難しいわな。今ここにおるんわ、オレと死んだヤマと大学病院の研究員、博物館のおっちゃん、刑事さんや」

ヤマ:「…………」

クロ:「犯人はこんなかにおるんは確実」

ヤマ:「……なんや、色々ツッコミたいけど、さっきよりは設定説明してくれるやんか」

クロ:「な、し、死体が甦った!?」

ヤマ:「は?」

クロ:「ぞ、ゾンビや! こ、こんなんできるんは研究員しかおらん!」

ヤマ:「ほぼミステリ関係ないやないか!」

 

 ペチン!

 

クロ:「ぐぁああああ!! ぞ、ゾンビにやられた」

ヤマ:「ええ加減にせえよ!」


2人:「「どうも、ありがとうございましたー」」



あとがき。


クロとヤマの漫才(?)ですかね。

楽しんでいただけたでしょうか。漫才風にするの難しいですね……。


あと、私は関西人ではないんでツッコミとか分かりません! 皆さんの想像にお任せいたします! では、また次の作品で!


※この物語はフィクションであり、実在の人物・団体等とは関係ありません。


後書きはAIのべりすとに書いてもらいました。

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クロとヤマ ヘイ @Hei767

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