愛深きゆえに
バブみ道日丿宮組
お題:間違った恋愛 制限時間:15分
愛深きゆえに
「……むむ」
電柱の後ろに立ち、こっそりと確認する。
そこでは、彼女が自動販売機の側に落ちた硬貨を拾おうと、しゃがみ込んでた。
隠れた位置からはぱっくりとパンツの色、形が見えた。
淡いピンクの縞々。
彼女にしてはだいぶ子どもチックなものだった。
今日は体育がないし、見られることもないだろうとそうしたのかもしれない。
上着を羽織ってるため、さすがにブラジャーはなにか事件が起きたとして、見えることはない。
なにかの衝撃でむしろ中身が見れたほうがいいが、それはまさに奇跡。
「……ゴクリ」
パンツを記憶に上書きする。
よしっ、今日もいい夢が見れそうだ。
隠れたままでもよかったのだけど、会話もしたかった。
だから、近づく。
「おはよう」
「あっ、おはよー」
挨拶が聞こえる距離につく前に、彼女は硬貨を拾い終えて、自動販売機にお金を入れてた。
「コーンポタージュ?」
「そうだよ。よくわかったね?」
ピッ、そしてごとんと音がして、缶が落ちてくる。
「そんな気がしてたんだ」
彼女のデータはたくさんある。コーンポタージュが好きというのも一つ。
他にもお汁粉、翼をさずけるスポーツ飲料水が好み。
今日は寒いし、彼女が見てるところにはお汁粉も翼もない。
よって、選択肢は一つだけになるということだ。
「一緒にいく?」
「お願いします」
「なぁに、それ?」
笑う彼女は素敵だった。
持ち帰ってぺろぺろしたいが、そこまでできない。
でも、したいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたい。
「気にしないで」
口端が裂けそうなくらいあがった。
彼女は気にした様子もなく、学校へと一歩を進める。
その後に続きながら、自分の部屋を思い出す。
部屋に彼女の写真がたくさん貼ってある。いくつか下着も持ち帰ってもある。
だからこそ、本人を連れてくわけにはいかない。
こっちが彼女の部屋にいくことはあっても、だ。
そこで下着が何枚もなくなってることを彼女は知ってるだろうが、私だとはおそらく思ってない。
態度が変わらなく、仲良くしてくれてる。
昼ごはんもトイレも、部活も一緒。
寝て起きるまでも一緒にいたい。ずっと匂いを嗅いでたい。
同性愛だから許される行為を思う存分、活かしたい。
大好きな彼女は、私の愛に気づかない。受け入れるだけ、受け入れてくれてる。
今はそれでいい。
なにかの拍子に進むかもしれない。
そのとき。
そのときは思う存分楽しもう。
愛深きゆえに バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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