指ポキで世界が変わる!!
肉まん
第1話始まりのポキッ!
目が覚めようとしている。もう朝か……仕事に行きたくないなぁ、今日は会議があるんだっけ……面倒くさい。
「んッ! どっこいしょ!」
それでも気合いを入れて布団からガバっと一気に起き上がる。妙な違和感を感じるが、さぁ先ずはコーヒーでも……ってあれ? まだうす暗い? もう春も過ぎてるのに? 時計を見るとまだ朝の4時過ぎだ、なぁんだやっちゃったな俺、もっかい寝よう。一応目覚まし時計をセットする為に確認すると……
4︰24︰35
3時間も寝れれば上々かな……7時30分にセットしよう。
4︰24︰35
あれ? いくらスイッチを弄っても表示が変わらない、それどころか押してる感触もない。
4︰24︰35
表示は切り替わらない……切り替わらない? 壊れたかな、スマホを手繰り寄せるとスマホの画面もつかない!? 電池切れ? いやコードは繋がってる……電気料金を払い忘れてて止められた?
4︰24︰35
もう一度、時計の画面を見ると秒の数字が切り替わっていない……ヤバい! 本当の時間は何時なんだ! 腕時計をしない自分の性分を呪ったが慌てて起き上がると、不思議な感覚に襲われる。何だコレ……まるで飛行機が離陸する時の様に、身体から何かが抜けていくような感覚だ。さっきも感じた違和感はこれか?
4︰24︰35
辺りを見渡すと俺が寝ていた…………
「はぁ!?!?」
ちょっと待って! 俺って死んだの? えっ!? 健康診断の結果は超良かったじゃん! タバコも酒も止めたじゃん! 一体何が起きたんだ? いやに喉が渇く! くっそ、とっとりあえず水でも……って死んでるのに? 何気なく枕元にあるミネラルウォーターのペットボトルに手を伸ばすと『掴めた』
「えっ!?」
今の俺は幽体ってやつじゃないのか? 『掴んだ』ペットボトルを振り回すと、うん……掴めるねコレ、飲めるなら飲んで落ち着こう……ペットボトルのキャップを取り外して口元に傾けるが、水が流れて来ない……嫌がらせか神様? 迎えに来るならさっさと来て欲しい。ペットボトルのキャップを締めてと、枕元に戻したが喉の渇きが限界だ、水が欲しくて台所に向かおうとした時だった。
「あれれ!?」
ドアを、壁をすり抜けると思ったが顔面を思いっきりぶつけた。
「いってぇ! ふざけんな神様! くっそ! じゃあこれで良いのか?」
ドアに手を掛けると『開ける』事が出来た……ふ~ん……ナニコレ? 俺って幽体じゃないの? まぁそれよりも今は水だ、台所に向かおうとするが……ちょっとだけ嫌な予感はしてたが、台所に近付けない……というか後1メートル程届かない。何で! これ以上動けない、いや進めない? 本当どうなってんの!?
4︰24︰35
布団に横になっている自分の身体の元まで迄戻って思案する、俺は今は幽体離脱中? だけど『掴める』と『開ける』事が出来た、ならばと試しに自分の本体に思いっ切りビンタしてみた。
……何ともないな、ビンタした感触は有ったが、もしかしてこんな悪夢から覚めるかと思い何発もしたのだが目は覚めない。
「も〜わからん! おーい! 神様でも死神でも良いから早く迎えに来てよ!」
返事もなく、そして……本当に何気なく……何時もの癖だった、無意識のうちに左手が右手の親指を引っ張り。
ポキッ!!
次の瞬間、世界が弾けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます