典礼のタペストリー
太い石柱が並んでいる。大人が四、五人手を広げてようやく囲めるほどに太い石柱。それらが奥の空間に向かって二列に並んでいた。
天を仰ぐようにして見上げると、各々の石柱の先は地上からはるか高いところで何本かに枝分かれしている。そしてその枝は各々弧を描いて、他の列柱の先から同様に枝分かれしてきた曲線と出会う。この曲線の出会いによって生まれた尖頭アーチが列を成す石柱に合わせて規則正しく交差しており、この建物の天井に幾何学的な美しさを生み出している。
この列柱の間を、リザ皇女は父帝の横で傲然と言えるほど堂々と歩いて行く。この巨大な身廊は三層の側廊を備えており、その隅々まで群集がびっしりと詰め掛けている。その中央を、彼らに一瞥もくれることなく、彼女はくいっと首を持ち上げて歩を進めていく。会堂の奥を、自分と父親だけが登ることの出来る階段の上を真っ直ぐ見つめながら。
リザもスヘイドも、先ほど控え室で身に着けたばかりの純白の衣装を纏っている。その白さは、身廊の入り口から玉座まで一直線に引かれた真紅の毛氈の上にあっていっそうくっきりと輝く。先帝の頃から皇帝の礼装は白と定められた。皇帝の神聖さを表徴するためである。
スヘイドの衣は、「海の源流」で立ち働く神官のゆったりした衣装とよく似た形をしていた。けれども神官の用いるものとは違って、一面に金糸銀糸の細かい刺繍が施された上に、細かな宝玉も縫い付けられており、実に豪華なものだった。
リザ皇女の衣装も皇帝に準じて白いもので、そしてより一層華やかだった。首が高く、手の甲まで被う袖がつき、裾が背後に長々と延びる真っ白なドレス。高貴な女性の肌がなるべく人目に触れぬ様に考えられたものだが、その分ふんだんに飾ることができる。
ドレスの腰から下は二段重ねで、上のスカート部分は光沢のある白絹と繊細なレース地とが交互に接ぎ合わされている。ほっそりとした胴には、粒の揃った真珠で文様が描かれ、袖はふんわりとした薄絹の上に細い銀糸で緻密な刺繍が施されている。そして、首元には帝国内で最も大きな金剛石のブローチが留められ、薄暗い堂内の全ての光を集めたかのように燦然と光っている。
「ほう……」
皇帝親娘、分けても皇女の豪奢な衣装に群集の中から声にならない息が洩れる。
この式典に参列できるのは貴族階級に限られており、皆思い思いに精一杯着飾っていた。しかしながらどんなに着飾っても、彼らの中の誰も、あのような神々しい格好はできない。一つには、先帝の御世に皇帝以外は白を着てはならないという命が下され、自分たちが白の衣装を着ることができないせいもある。ただ、仮に自分たちが白い衣を着ようとしたとしても、あれほど華麗な風に拵えることなどできはしないだろう。
――やはり皇帝とは我々とは違うのだ――。
群集は、先帝と現皇帝がその効果を狙ったとおりに、この煌々しい純白の衣装に皇帝位の神聖さを感じ取っていたのだった。
――いいえ。それでもやっぱり敵はいる。
群衆の中から上がる感嘆の溜息を耳にしてもなお、リザは気を緩めない。この会堂を埋め尽くす者達の中には、これほど皇帝家の威光を見せ付けられてもなお、この自分自身には冷たい視線を向ける者達がいる。自分はそれを知っている。
――負けてなるものですか。
母親の身分が低い。そんな理由で自分を帝位に相応しくないと考える者達。
――私はそんな者達に屈したりなんかしない。
以前、別の式典で、こうやって参列者の中を玉座に向かって歩いているとき、聞こえよがしに囁いた者がいた。
「あら。あの姫君は本当にあの母親によく似ていること。でも、母親の方は目を伏せてもっと謙虚に歩いていたものだけど」
暗にリザにも、分をわきまえろ、と言わんばかりのあの声。それが今再び自分の耳にもささやかれたような気がしてリザは一層険しい目で前方を見据える。
――私は皇女よ。神聖にして穢れ無き皇帝位に就くことが出来るのはこの私だけなのよ。
現に光はすぐ目の前にある。薄暗い身廊が尽きそこから先は、玉座とその隣のリザの為の席が並べられた壇上へと、十数段の階段が伸びているだけだ。ここから先、天井は大きな円蓋となる。そのドームがせり上がるふもとにある窓から日の光が燦燦と降り注ぐ。
リザは一層誇らしげに階に足を乗せる。これが許されるのは皇帝スヘイドとリザの二人だけ。彼女は一段一段を踏みしめ、眩しいほど豪華に飾られた自分のための席に近付き、殊更ゆったりとした仕種で腰を下ろした。
同じく玉座に座った皇帝がリザとともに、高みからたっぷり群集を見下ろしてから、おもむろに左手を挙げて彼らに座ることを許した。
皇帝の片手の動き一つでぞろぞろ椅子に座り始める群衆。リザは背筋を伸ばして椅子に納まったまま、その群れを冷ややかに見下ろしていた。
式典は神官達の執り行う、今となってはその行為が何を意味するのかわからない、形式的な清めの儀式の数々から始まった。それから、諸王国からの使い達が順番に、皇帝への讃辞と帝国の繁栄への祝辞を述べ続ける。ゲルガンドの登場までは暫く時間がかかりそうだった。
リザはもう、自分の靴よりも下で這い蹲っている彼らを見るのに飽きてしまった。それに、父帝も自分も、彼らからどんなに荘重な美辞麗句を並べ立てられようが何の反応もしてやる必要はないのだ。
彼女はこの大会堂に何枚も吊り下げられた、壮大なタペストリーを眺め始めた。これらは余程大きな式典でなければ御庫から取り出されることはない。故に、随分昔に織られたものでさえ色褪せないまま鮮やかに、その絵柄に込められた物語を見る者に語りかける。リザはこれらタペストリーの絵を見るのがとても好きだった。
これらのタペストリーは一枚ごとにこの帝国に起こった重要な事が綴られている。これを順に眺めていけば、太古の世界から今に至るまでの帝国の歴史を辿ることになる。
一枚目。この絵は抽象的とも言えるほどシンプルな構図である。濃紺の夜空。その夜空に浮かぶかのように、白雪を戴く急峻な峰が連なっている。そのふもとに鬱蒼とした森が茂り、その中央に銀に輝く水盤が置かれている。この水盤から、タペストリーの下辺に向けて水が流れ出している。流れは、緑の濃淡で織り出された丘陵地を抜け、褐色の糸で紡がれた平地を蛇行しつつ、夜空を映した濃紺の海へと注ぐ。
この絵に織り込まれている水盤は、先程までリザが目にしていたあの水盤である。この絵は「海の源流」を中心に、この世界の縮図を示しているのだ。タペストリーの中で唯一、人物の登場しないこの静謐な絵を見るたび、リザは粛然とした気持ちになる。
自分はこの世界の中央に立ち、その源を守護する皇帝になるのだ。そう思うとリザの心は誇らしさで一杯になる。母こそこの世界に身も心も踏みにじられてしまったけれど、自分は違う。自分のこの身は、この世界に唯一絶対の尊き存在なのだ。彼女はこの自負と矜持を糧に今まで育ってきたのだった。
しかしながら、単に子供でいられた時期を過ぎようとするにつれて、自分の心に暗く翳る部分が生まれ、しだいに大きくなっていることにもリザは気がついている。
古の御世はともかく現代となっては、皇帝は「海の源流」の傍から離れることを許されない。よほどの変事が起こらぬ限り、自分は一生皇宮から一歩も外に出ることはないだろう。
――退屈な絵。
皇女として決して口に出してはならない感想を、彼女はごく浅い溜息として吐き出した。
「海の源流」のある『森の国』は、白く輝く急峻な嶺々と黒々とした深い森に囲まれ守られている。リザはこれ以外の風景を見たことがない。毎日毎日皇宮から見えるのは黒い森と白い嶺だけ。そして一生このまま、これと異なる風景を目にすることはない――。
彼女は胸に湧き起こってくる苛立ちに近い感情を再びひっそり溜息に乗せた。そして救いを求めるかのように次の絵に視線を移した。
二枚目。リザはタペストリーの中でもこの絵が最も好きだ。初めて見た頃からこの絵を見るたび胸がときめいた。そして今ではどこか焦がれる思いでこの絵を愛している。
絵の中央に、黒い髪に黒い瞳を持つ美しい青年が、豪華な衣装を纏って毅然と立っている。その足元には、今と全く変わらぬ白装束姿の神官達が額づいている。
この絵の凛々しい青年は彼女の先祖、初代皇帝トゥオグルである。彼が現れる前は、人々は黒い森の中にいくつかの部族に分かれて暮らしていたという。彼らを纏め上げたのがこのトゥオグルであった。彼はそうして「森の国」の主となった。しかし彼が英雄であるのは単に国を纏めて王になったからだけではない。
神官達はトゥオグルの強さと、そしてその心が正しいことを認めた。だから彼らはトゥオグルとその子孫に、「海の源流」を守護すべき神聖なる皇帝位を授けたのだった。
「海の源流」の守護者であるということは、「河の信仰」の守護者であるということでもある。ラクロウ川の流域では、人の生死について共通の神話が伝えられている。生命は天から「海の源流」に滴り落ち、死んだ者の魂は遺骸を河に流すことで海に運ばれ、そこで魚の形をとって暫く過ごす。そしてその魂に定められた時がくれば天に昇り、そして再び「海の源流」に降ってくるのだ、と。
ラクロウ河の流域には、「森の国」の下流に、河沿いの交易で栄えた港町が連合してうまれた「石の国」がある。その更に下流には河口の港で富を蓄積した王が、海沿いの広範な地域を支配下に置いて成立した「土の国」とがあった。この両国では「河の信仰」は唯一の信仰であり、そして生活の一部といえるほど馴染み深いものだった。
「海の源流」を守る神官達がトゥオグルに皇帝位を授けたということは、皇帝が「河の信仰」を共にする「石の国」「土の国」を支配する正当な根拠となった。この絵においてトゥオグルが古地図――河を中心に「石の国」と「土の国」の領土を描いている――を踏みしめているのはこのことに拠る。
もっともリザにはそんなことに関心はない。彼女が生まれるずっと前から、帝国はこの二国だけでなくもっと多くの国々に版図を広げていた。「河の信仰」を信じる者達の上に君臨することは、彼女にとっては自明のことだ。
リザはそれなりに聡明な少女だ。帝国に宿る命、その全て守らねばならない皇帝の責務の重さを理解していた。自分は父の名誉のためにも、そして何より母の名誉のためにも立派な皇帝にならなければならない。けれど――。
一枚目のタペストリーを見ていて感じた暗い感情が再びリザの中に湧いてくる。皇帝の仕事なんて単調なものだ。皇宮より一歩も外へ出ず、ただ「海の源流」の傍に居て、神官達の言うがままその祭祀に加わる。古式ゆかしい祀りの儀式――現代を生きる少女にはつまらない儀式が皇帝の本業。それがない日は帝国中のあちこちから難しい話が持ち込まれ、その解決に忙しい。領民達は、皇帝にその生命の旅路を守られている癖に、文句ばかり言っている。
生命の流れを守る皇帝の責務はあまりに重く、そして単調で、めったなことでは賞賛されない。それなのに、そんな立場になるしか自分の人生に選択肢はない。
苛立ちを振り切るように、彼女は画中のトゥオグルを見つめた。
ずっと前に父帝に訊ねたことがある。「お父様はどうして皇帝の重責に耐えることがお出来になったの?」と。スヘイドはしばらく考え込んだ後、「それはお前の母がいたからだよ」と答えた。
スヘイドと、リザの母ペイリンの悲恋は、主に皇宮で働く侍女たちを中心に今でも盛んに語られる。運命に引き裂かれたものの、互いに互いを想い合う美しい恋物語。自分の両親のこの昔話を、幼い頃から今に至るまでリザは侍女たちにせがんだものだ。
リザは勉学にも相応に真面目に取り組んだが、自分の時間には父母だけでなく古の、あるいは異国の恋物語を読んだり聞いたりするのを好んだ。
十三歳の少女はそうして夢想するようになる。いつか私にも両親のような素敵な恋人が現れるのかもしれない。そう、このトゥオグルのような、美しくて逞しくて頼りになりそうな――。そうすれば自分の人生は特別なものになる。むしろそんな方が現れなければ、自分の重苦しく退屈な人生には何の見返りもえられない。そんなことは納得いかない。リザはそんな気がしていた。
スヘイドは、横に座る愛娘が、今日もまたトゥオグル帝の似姿に見とれていることに気がついていた。娘にとってこのタペストリー中のトゥオグル帝は未来の恋人だ。ふざけながらもこの聖祖を「私の憧れの君」と呼んでいるのも知っている。
しかし。スヘイドは暗い目をして考える。この娘には真実を隠している。本当は、恋というものは夢見がちな娘が思うほど常に美しいものではないのだ。
いや。彼は僅かに口を引き結ぶ。その真実は、自分自身思い出したくもないことだし、まだ幼さの残る娘に聞かせる話ではない。娘はまだ十三歳なのだ。絵の中の美青年に憧れる、そんな恋に恋する少女の時間を、父は大切にしてやりたかった。
三枚目。二枚目のトゥオグル帝の麗しい姿を十分堪能してからリザはこの絵に視線を向ける。そして、美しく整った眉を顰めた。
そこには残虐な戦闘の様子が画面いっぱいに描かれていた。騎馬に跨り甲冑をつけた美々しい皇帝軍の兵士が、みすぼらしい装備の敵兵の首を掻き切っている。地には、身体のあちこちから血を垂れ流す醜い人間達が横たわっている。背景の建物には全て火が放たれ、赤い炎が舞い上がっている。
この戦闘は、皇帝軍が「森の国」を囲む山脈を越え、「石の国」「土の国」に攻め込んだ時のものだと伝えられている。けれども――おかしいわ、とリザは首を傾げた。
彼女が最近学んだ歴史とこの絵とは随分違う。トゥオグル帝は、古来『海の源流』を護ってきた神官によって皇帝位を授けられた。この神聖な皇帝の出現を「石の国」「土の国」は喜んで迎え入れた。彼女に帝国史を教える教官はそう説明していた。
教官は言ったものだ。
「そりゃあ、中には抵抗した者もいたかもしれません」
しかしながら、と彼は続けた。
「しかしながら皇帝の位は神聖なものです。『河の信仰』を共にする者なら喜んで皇帝を迎えたに違いありません。現に帝国の配下にあってこれらの国は平和と繁栄を享受しています。皇帝は帝国中の領民から敬われているのでございます」
それならこの絵は間違っている。後でお父様に作り直すべきだって言っておこう。皇女は小さく頷いた。
六枚目。この絵を見て皇女は機嫌を直す。二代目の皇帝、ドゥルガン帝が二人のそれなりに立派な衣を身に着けた者達を従えるように立っている。これはそれぞれ「石の国」と「土の国」の王で、この絵はこの二つの王国が第二代皇帝ドゥルガン帝の御世に帝国の配下におさまったことを示している。
背景では木が茂り、麦や葡萄をはじめ様々な作物が豊かに実り、地に生えた牧草を羊や牛がゆったりと食んでいる。これは帝国の配下に入って繁栄が得られたことを示し、帝国の支配の正当性を示しているのだ。
七枚目。皇女の口に微笑みが浮かぶ。七枚目以降は帝国が版図を拡大する度に製作される。どの絵も構図はほぼ同じだった。帝国に帰順した国の王が跪き、時の皇帝にその国の名産品を献上している。
皇女にとっては信じられないことに、河から離れた地域には、生命が河と海と空を巡ることを知らない者達がいるのだという。なんて愚かなのでしょう。皇女は呆れる。そんな蛮族達の中には「死」をやたら恐れる者もいるとか。「死」なんて単に魂が海に還り、しばらく魚として暮らして再び現世に生まれ変わるまでの一段階に過ぎないのに。
けれども真実って浸透していくのだわ。河から離れた地域にもこうやって、魂の生まれ変わりを信じる者が増えたんですもの。皇女はタペストリーに描かれる珍しい品物を楽しみ始める。
確かに帝国は武力だけでその版図を広げたわけではなかった。「河の信仰」は人の魂の生まれ変わりを説く。この信仰はラクロウ河から離れた地域にももたらされ、この点で多くの人々の心をひきつけた。
支配のきっかけが軍事力によるものでも、やがてその地に「河の信仰」が広まると領民達の帝国の支配に対する心理的な拒絶感は薄らいでいった。さらには、帝国の侵攻以前に「河の信仰」が伝えられその国の王族までがこの信仰に帰依した結果、向こうの方から帝国に帰順を望む国もあった。
ただし、事実はこのタペストリーに描かれているほど単純ではない。生まれ変わりを約束する「河の信仰」は確かに多くの人々を魅了していったけれども、その土地その土地で語り継がれていた土着の信仰と軋轢を起こすことも多かった。また、信仰を改め帝国に帰順したかのように見える国でも、それは単に帝国軍の戦力をあてにしているだけで、辺境の蛮族から自国を護るためのただの見せ掛けにすぎない場合もあった。
しかし、皇女にタペストリーの背後の真実まで見通す力はない。七枚目以降のタペストリーを皇女はただ無邪気に楽しんでいた。皇宮から一歩も外に出たことのない皇女は、それらに描かれる珍奇な物品や見たことの無い異国の風景を見るのに夢中となり、時の経つのをしばし忘れていた。
喇叭の金属音が群集のざわめきを制していく。そして、ファンファーレが鳴り終わってようやく静かになった会堂に今回の典礼の主役が入ってきた。皇女のお楽しみの時間もおしまいだ。皇女は少し残念な気持ちでタペストリーから視線を下ろし、会堂の身廊をこちらに進んでくる人影を見た。
ゲルガンド将軍は上背があり、遠くドームの真下に座る皇女からもその姿を捉えることができた。引き締まった体躯を姿勢よく、大またにしかしどこかしなやかな獣のようにゆっくりと彼は近付いてくる。
薄暗い身廊から日の光の射す円蓋の下へ彼は踏み出した。皇女は思わず息を飲む。
濡れたように艶やかな黒い髪。端正でありながら精悍な顔立ち。そして自信と若さに満ちたその黒い瞳。
――こんな方、私初めて見る。
一瞬そう思っただけで皇女はすぐその考えを否定した。ううん、私はこの方に似た人を知っている。皇女はタペストリーの二枚目をちらと見やり、そしてゲルガンド将軍に目を戻した。
――私の憧れの君だわ!
皇女は、典礼の間中熱っぽい目つきで彼の一挙手一投足を見つめ続けている。この日この時から、皇女は幼くも真剣な、それゆえ多くの人間の運命を変えてしまう恋に落ちてしまったのだった。
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