日本橋サイド・交流編
Side 藤崎 シノブ
俺は木里 翔太郎と荒木 将一と男3人でちょっとばかし駄弁っていた。
比良坂市組や竹宮高校組も女所帯感が日本橋組よりも強いらしく、利害の一致で今に到ると言う感じだ。
まあようするに男同士で色々と話したりしたかったのだ。
女の子との会話で不満なのかとか言われそうだが、女性との会話は色々と気を遣う部分もあるのだ。
「二人ともカップル成立してるのか」
「そう言う藤崎君はどうなんだ?」
と、荒木さんに言われた。
異世界での事は言っても信じてくれなさそうなので取り合えずは「相手に恵まれなくて――」と言っておいた。
「厳しい事言うようだけど、あんまり女性を振り回すなよ」
「荒木さんが言うと重味が違いますね」
荒木さんの言葉に木里君が苦笑する。
一体何があったのやら。
「そう言えば谷村さんとかは相手いんの?」
「谷村さんはどうなんだろう? いてもおかしくはないんだけど……」
谷村さんの女性の趣味は本当は分かっているのだがあえて口には出さないでおく。
あんまり本人のいないところでどうこう言うのは失礼だと思ったからだ。
☆
Side 羽崎 トウマ
「その歳(高校生)でプロのラノベ作家が……凄いな……」
「まあ今は休業中だけどね」
和泉 ツカサ先生と会話する。
夢がラノベ作家自分としては、例え十歳以上歳が離れていても憧れの対象である。
「てことは今は?」
「いや、書いている事は書いてるよ」
「流石プロ……」
自分何か明日を生き抜くのに必死なのにこんな極限状態でも書くとは本当にプロなんだなと思った。
「どちらかと言うと辛い現実から逃避する感覚で書いているから思っているように立派ではないよ」
「ああ……」
そう言う理由かと納得する。
同時に失礼を働いてしまったなとおもった。
「早く平和になって――以前の生活に戻りたいですね。学校で木里君や手毬さんと一緒にいた頃が懐かしい」
「自分もですよ――真っ当な人生とは言えないけど、日本橋での生活は楽しかったから」
和泉先生の考えは心から共感できる。
こんな戦いも早く終わらせないと――
☆
Side 安藤 マキ
女性達で集まっての立ち女子会が行われていた。
男性陣についてあーだこーだ話し合っている。
話題は先日起きた告白関連のイベントだろう。
「二人とも相手に恵まれたのね」
「うん――」
「まあね――」
手毬さんと朝倉さんが照れながら言った。
正直言うとそう言う相手に恵まれる気持ちは分かる。
世界が変わるのだ。
(異世界に置いてきちゃった形になったけど、また会いたいな――)
などと心の底で思う。
藤崎君や谷村君にも異世界で残したそう言う相手がいるように感じた。
これは確証はないが、しいて言うなら女の勘と言う奴である。
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