私に向けて

あんこ文

お久しぶりです

 

 これを書いて(読んで)いる私、お久しぶりです。


 小説を投稿どころかサイトにすらアクセスしない日々が長く続きましたね。

 もちろんその間に投稿するべきストックが増えたり、誰もがワクワクして驚嘆し、アニメと実写映画が大ヒットするようなネタを思いついてもいません。

 さりとてインプットの為に面白い映画を観たり、過去の名作を読みふける事もしませんでしたね。


 無。ゼロ。白紙です。


 何の目新しさも刺激も無い、無いどころか一切無い、無いを超越した何か、何かですらない。

 もうすぐ死ぬけども差し当たって身体に悪いところは無い老人といった感じ。

 誰かが何も書いていないノートをペラペラめくったらその虚空が私になるだろうとほぼ確信している。

 精神が停止している言えばいいだろうか。いや、精神が固着しているといった方が実態に近いか。


 途方もない無。


 この生活を千年繰り返しても全く建設的な何かが生まれることはない。あるのはただただ食、睡眠、行き場のない性欲。

 サバンナの野生動物達にはとても生物としてかなわない、その辺の落ち葉の方がまだ生命の循環の役に立っているだろう。

 人生の中にゼロがこれだけ続いた人間が囚人以外でいるのだろうか、ゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロ拘束も収容も洗脳もされていない自由意志の人間が。

 そもそも人間は人の間と書いて人間なのだから、私が人間である道理も無いのだった。せいぜいが人。いや、人もあまりにもったいない。大目に見てホモサピエンスのなり損ないといったところ。

 自己否定の文言ならいくらでも出てくるが、自己否定する事で自分がダメな奴だと自分で分かっているんだと装おうとするあたりに救えない性根を感じる。


 から逃れようと思っても、煙草はケムイだけで意味を感じない。酒もそんなに好きではないから溺れることもできない。薬物なんか高くて買えない。だから、画面から飛び込んでくるインターネットの微弱な刺激を求め続ける。一番金がかからず、身体に優しい依存症。

 まさに現代的アル中。

 SDGsドラッグ。

 持続可能な楽しい人生の終わらせ方だなバカが。


 暖かくなってきたはずなのに最近とにかく寒い、身体が冷たい、風呂に入っても凍えるよう。かつては確かにあったはずの、何か熱いものが自分の中に一つも無いのが恐ろしい。

 昔はとても面白かったはずのアレに何も感じない、どうしてもやりたかったはずのソレはやろうとすら思わない。


 映画、見ない。

 本、読めない。

 ゲーム、もう何年起動していないか覚えてない。

 創作、そもそも意味が分からない。


 何かもっと、観たい映画があった気がする。

 何かもっと、読みたい本があった気がする。

 何かもっと、やりたいゲームがあった気がする。

 何かもっと、書きたいこと表現したいことがあった気がする。


 もう何一つ思い出せない。そもそも本当にがあったかどうかも分からなくなった。

 元々そんなもの存在しないんじゃないのか?

 あったふりをして、がらんどうの自分をごまかそうとしてるだけなんじゃないのか?


 分からない、とにかく寒い。凍てついてジメジメして不快だとても。

 不快だということだけが、今の私にもハッキリ分かっている唯一のことだ。とにかく不快だ。全てが不快だ。雨が不快だし花粉が不快だしもう何年も着ているはずなのに未だに身体に馴染まない服を着るしかないのが不快だ。この世のありとあらゆる事象が不快だ。

 中でもとりわけが不快だ。

 おぞましい何か、畜生にも劣る物体、体重と同じだけの産業廃棄物の方がまだ価値がある。何故の塊、虚無の擬人化。寒い寒い。塵芥。

 どうして活動を停止していないのか、CIAにもKGBにも分からない。もちろん私にも分からない。


 あぁ、こんなことを書くつもりじゃなかった。こんなことを書くつもりじゃなかった気がするが、まぁそれも分からない。

 自分に向けて書こうとすると、こうもスラスラとキーボードが打てるのは皮肉だなとは感じる、それは分かる。寒いとにかく。


 毎日起きるたびに「何なんだこれは」と思う。

 長い悪夢を見ているんじゃないのか。

 これが現実だと到底感じられない。

 悪い冗談だろうと。

 何なんだこれは。

 恐ろしい妄想。

 おかしい。

 寒い。


 これを書いて(読んで)いる私、お久しぶりです。

 ゼロから千七百字程度産み出したつもりでご満悦ですか?

 お疲れ様です。

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