第6話
「で、どこ行くの?」
「そうですね…。」
正直、早く次の四竜さんの所に行きたい。
でも、中々それどころではない気がする。
「…
それが一番の問題だ。
もし普通に人間の姿がバレてるなら、色々と出歩いたり目立ったり出来ない。
「いや、人間の姿は全然出してないわよ。普段帝国騎士団とかの相手する時も、いつも龍の姿でしてるわよ。そっちの方がイメージ的にいいかと思って、そうしてるのよね。私って気が利くでしょ~?」
「まあ、それなら良かったです。人間の姿が広まってると身動きが取りづらいので、そっちの方が都合がいいですね。」
私は慣れない敬語で、少し感情が抜け落ちたような声になりながらも喋る。
聖女やってた頃も、一応王様だからバカ王には敬語を頑張って使っていたけど、少しでも気を抜くと敬語が出てこなくなる。
「あら、そうかしら?そんなに心配しなくてもいいと思うのだけど…。」
「いや、ダメですって。そもそも私はそんなに力つけるべき人間じゃないんですよ。立ち位置的に。力をつけるべきは、あのバカ王とかなんですよ。」
私はただの聖女なのだ。
しかも
これ以上力を持ってどうするというのか。
その時だった。
ドゴォォォォンッ
爆発…音?
らしき音が聞こえた。
最初の音に続くようにして、同じ音が聞こえてくる。
「あら、何かしら?」
「分かってるのに聞かないでください。」
「分からないから聞いてるのよ~♪」
爆撃の音と悲鳴が響く中でも、
慣れてるんだろう。
戦争だらけの昔の世界から生きているのだから。
「どんなところが攻め込んできているのかしら?」
この人の空気というか、性格が読めないな…。
そこは、地獄のようだった。
悲鳴。
何処かで聞いた昔の世界と、重なった。
守らなきゃ。
本能的にそう思った。
聖女の
なんか、そんな感じ。
でも、今更あのバカ王たちを守る気はないので、私は、こうした。
「我が力よ、私の望むままに姿を変えよ。
――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます