第13話褒賞金

「こ、このガキ……接吻しやがった……。デニム! お前も見たよな!」

「へい! アニキ!」

「ここ、こうなったら仕方ない。わ、私の昨日作った殺人爆弾で、も、目撃した奴らを皆殺しにするしかないね……ってその前に、お嬢ちゃんを治さないと」

「アニキ。こいつ、あの変態のティンカー・ア・エルテの野郎ですぜ」

「何だと? こいつがあのティンカーなのか? なら、今すぐイリカ警備隊にすぐ通報だ」

「ち、ちょっと待ちな……」

「これでお前らは終わりだ。たっぷり褒賞金が貰えるぜ」


 そう捨て台詞を遺すと、チンピラ達は、そそくさとそこから逃げて行った。


「クソっ! 厄介な事になったね! 早くこの町から出ないと大変な事になるよ! それより……」


 エルテが再び、俺たちの方に視線を戻す。


「み、見て下さい! エルテさん!」

「な、何が起きてるんだい?」


 突然アカリの傷口が、眩い光を放ち始めたのだ。


「カケル……君?」

「アカリィ!?」


 その瞬間、意識を失っていたアカリが、目を覚ます。


「ど、どういう事だ? まさかカケルの能力は……」

「アタシ、生きてるの?」

「そうだよ! 生きてるんだ! よかった! アカリが無事で!」


 俺は、自然と涙がこぼれる。


「とにかく今は、一刻でも早くここをずらかるよ」

「はい。エルテさん」


 そこで俺たちは、エルテにつかまり、飛ぶようにエルテの家へ戻った。

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