第26話 私は、連◯に反省を促すダンスしか踊れません

今回はブラン視点ですね。


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 羞恥心にまみれながら、私はなんとか屋敷にたどり着いた。街中の人の視線が痛かった。気を遣ってなのか、冷やかしかは分からないけど、果物屋の店主から『気にすんなや、嬢ちゃん』などと言われてしまった…



 全く酷い目に遭いました。まさか、お、お姫様抱っこ状態で街中に居たなんて。

 ……ううう〜。このままじゃ私の尊厳は0に等しくなります。

 こうなる原因になったフルールは許しません。

ええ、絶対にです。絶対に、絶対です。








 私が屋敷のリビングに入った時、元凶であるフルールはソファーにふんぞりがえりながら、『ぽてち』を食べていた。横には静かに酒を飲んでいるカーミンもいた。



 「あれ?お嬢。帰ってきたんだ。いやぁ、お嬢が北区目掛けて全力疾走した時はビビりましたけど、大丈夫でしたか?冷やかしとかありませんでした?」



 この子……才能あると思うわ。私をイラつかせる事のね!!

 なぁ〜にが!!『大丈夫でしたか?』だ!心配するなら、こんな状態が起きないようにリスクマネージメントしなさい!!と言うか貴女が元凶でしょ!



 

 「あら?主人を置いて行った不忠義者は何処のどなたなのでしょうか。ねぇ、フルール。」



 「はい、私です。すいませんした!!この上腹をかっ裂いて謝罪致す。御免!!」


 「解釈致すぞ。フルール殿」



 変わり身はやっ!!それに何?腹を裂く?よく分からないわ。要するに死んで詫びると言うことかしら?なんで自殺するなら、首切った方が良いと思うけど?まあ良いわ。

 あとしれっと、カーミンが話に加わってる。

 

 「ええ、お願いね。私が納得いくようにね。」




 「え…ちょっと…そこは『自殺までしないで!許してあげるからね、ね。早まらないで』と言うとこじゃないですか。さも当然かの様に返さないでくださいよ。常識ですよ?」



 そんな常識知りません。なのでさっさと腹切ってどうぞ。



 「あれ、これ、まじで怒ってる?ヤバくね。このままじゃお嬢に『家臣の腹を切るのが趣味』と言う噂が流れてしまう…不味いですぞ。お嬢!殿中でござるよ。」



 「そんな趣味ありません!!全くもう、次はありませんからね!!」


 「サー!イエッサー!マム!」



 「全く、そうだ。フルール。学園入学テスト後にちょっとした舞踏会があるんだけど、踊れる?」



 「いやぁ、ダンスはからっきしですね。昔、ちょっとブームだった『連◯に反省を促すダンス』だったら出来るんですけど…」



 「連◯に反省を促すダンス?何?その字面から怪しい感じのするダンスは?」


 

 「私達、同じ種族(ネット民)に小ブームになったダンスなんですけど。かぼちゃのお面を被ってあるセリフと曲と共に踊るってやつです。」



 「やってみせろよ、フルール!」


 「なんとでもなるはずだ!」


 「ガ◯ダムだと!?」



 ♪〜〜〜〜♪〜〜〜〜



 ええ…(困惑)なにこれ。よく分からないわ。こんなのがブームになってたの?ええ…(困惑)

 と言うか絶対カーミン酔っ払っているでしょう。



 「よく分からないけど、取り敢えず踊れないって事ね。」



 「はい、正直多分、『第一皇女だから自国の舞踏会とかにすら出れなかった』的な言い訳でいいと思いますよ。政治も絡む場所においそれと出すわけには行かなかったみたいな。」



 「まあ、筋が通ってないわけではないですが……そんなに第一皇女の扱い酷かったの?的な心配がある気がしますよ」



 「そんくらい平気ですよぉwなんせ並のメンタルしてないんで」



 「それもそうね。貴女って……メンタル人間じゃないものね。」



 「フルールのメンタルは世界一ィィィ!」



 と言うか、カーミン酔っ払いすぎない!?いつもとテンションと性格が変わりすぎてるんですけど!?







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 「それでは、今年は我らが同志がこの学園に入ってくるのか?」


 学園のある教室、カーテンを閉め切った状態で怪しげな会合は続けられていた。

 部屋に居るのは10名程薄暗い雰囲気な中、同志らは次の同志の入会するための準備をしていた。



 「しかし、その情報は本当なのか?本当にあの少女は我らの同志になるのか?前にこの様なことがあったが結局は入会しなかったではないか。」



 「いえ、指導者よ。今回のターゲットは常人では考えられない程、我々の志しと一致している。実際、志しを証言している所が発見されている。今回こそは…今回こそは、我々の同志になってくれるだろう」



 「そうか……では、未来の同志に。」


 「「「「未来の同志に。」」」



 「乾杯」


 カーン


 

 「「「乾杯」」」






 ワイングラスのぶつかる音がよく響いた。まるで女神が新た同志に歓迎しているかの様に……邪神が堕落の道に引き込む様に……




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流石に歌詞載っけるのは不味いかなと思って誤魔化してますね。マフティー構文です。

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いやそんなモチベに繋がる訳ないっしょ。とか思ってる人、これやばいから脳内麻薬ドバドバ出るから。





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