ガラクタ世界〜決して信じてはいけない物語〜

サクラシオ

プロローグ 「君たちと……」

2036話 満ちる幸せ

2035年4月6日。私と君たちが住んでいた町が閉鎖された。


 ……私を町に残して


 私以外誰もいない汚れた町。


 外に出れば10メートル先も見えない汚れた空気。


 それに外にはまだ”徘徊者”がいるかもしれない。


 だから私は、今日もこの地下施設で怯えながら暮らしている。


 あの日の出来事は決して忘れない。だけど私は君たちとただ遊びたかっただけなのに、なんで私にあんな酷いことをしたのだろうか。私はずっと考えていたけどわからない。


 あの日君たちがやった酷いことのせいで私は今でも右手に深い傷が残っている。もしかしたら、この傷は一生治らないのかもしれない。


 だけど何故だろうか、私はこの傷を見る度に君たちのことを思い出しては幸せに満たされていくような感じがするのだ。



 ◆◆◆◆◆



 私は、またあのことを思い出した。


 あのこととは、私がある日を境に使えるようになった不思議な力についてだ。


 私は、未だにあの不思議な力についてあまり分からない。


 ただ、1つわかっていることがある。それは、君たちと近くにいた時に起こりやすかったということだ。


 あの不思議な力は、私と君たちの今でも残り続けているかけがえのない思い出のようなものだから、この力がどのようなものでどのようにして発動するのかもっと知りたい。


 そう思い私は、この地下施設でできる範囲の情報を集めることにした。



 ◆◆◆◆◆



 そうして私は、この地下施設の巨大な資料室を隅から隅まで見てみることにした。ところが、いざ資料室に入ってみるとそこは、まるで迷路のようで一体いつになったら隅から隅まで見終わるのだろうかと落胆してしまった。しかし、ここで挫けてはいけないと私は勇気を振り絞り1番上の端の資料を手に取り読み始めた。


 しばらく経ち、私はやっと資料を1冊を読み終えた。内容としては、この町の1番大きな会社だったAHS社の実験についてだ。全くもって不思議な力とは無関係の資料に私は、この巨大な資料室に不思議な力についての資料がないのではと思い始めた。



 ◆◆◆◆◆



 1番最初の資料を読み終えてから、一体どれ程の月日が流れただろうか。私はある資料に目が止まった。その資料には、この不思議な力に非常に似ている力についてのことが書かれていた。


 その力とは、”自分の●●●●●に●●●力”とのことだ。そしてその力の発動条件は●●であるAは縛りがなく、その●●であるB.CはAとの●●が近づくにつれ効果が大きくなる。なお、Aの暴走は●●である。……との事だ。


 私は、とうとうこの不思議な力についてわかったような気がしてこのワクワク感を抑えながら次のページをめくった。


 ところが、これ以降のページは何者かによって黒く塗りつぶされており全く読めない状態になっていた。


 私は、この続きのページが読めないことに苛立ちを覚え資料を遠くに投げてしまった。


 しばらく経ち、私は冷静になりすぐに投げた資料を探しに行った。しかし山積みになった沢山の資料の中に入ってしまったのか探しても全くみつからず私は唖然としてしまった。


 またしばらく経ち、私はとうとう諦め、また明日探すことにし、今夜は久しぶりに資料室ではなく寝室で睡眠をとることにした。

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