女子トイレの怪②
ギャル子に促されておずおずと入ってきたのは女子生徒だった。
黒縁の眼鏡にそばかすがギャル子と対照的でその子の真面目さを物語っていた。
私はその黒縁眼鏡にどこかで見覚えがあり、おそらく同じ1年生の誰かなのだろうな
とあたりをつけていた。
「この子は仁科愛子、あたしと同じクラスの学級委員をしてる子で
みんな『ニーナちゃん』って呼んでるんだ。」
ギャル子に紹介されて、仁科さんはペコリと頭を下げた。
「よろしくお願いします。」
仁科さんは見た目通りの細い声で私たち二人に挨拶をした。
「よろしくー
で、何?依頼者ってことは何かあたしに頼みたいことがあんの?」
初めての依頼者と聞いて、先輩は挨拶もそこそこに食い気味に核心にふれた。
「私はお菓子が好きなんです。」
仁科さんは唐突におかしなことを言ったので、私は聞き間違えたかと少し固まった。
ちらりと先輩を一瞥すると、先輩は特に気にした様子もなく先を促す。
「ポッキーとかプリッツとか、特にスーパーで売っているようなチョコレートが
大好きで、ここだけの話。いつも帰り道にあるスーパーにこっそり寄って、
買い食いしてるんです。」
そう語る仁科さんは生き生きとしており、先程の挨拶とは別人のようであった。
「そうなんだ。推しは?」
先輩が相槌を打って話を聞いていく。
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