33歳、職業対魔師今日も頑張る!

鋼夜

一章

序幕

 陽光が陰る逢魔時、人の出入りが少ない山道には二つの影が地面に写し出されている。

 写し出された影のひとつが揺らいだ直後、もう一つの影が二つに別れ斃れた。


「なんか今日は低級の妖怪が多いな……」


 疲れた顔の男が一人、今斃れた者に視線を移しそう呟いた。

 斃れた影は風に流され風化していく。

 風が止んだ時、そこには最初から何もなかったかのように時間が進んだ。


「とりあえず、この辺の妖怪倒し尽くすか」


 そう言った男は山道に消えていく。

 その手には月光に照らされた刀を持って……。

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