第3話

真一は、ビールを勢い良く呑みながら言った。

「今日が最後です。明日は長野なんです。」

「遠いですね~。」

「ええ、600キロ以上はあります。」

出張の多い仕事なんだろうと思いながら、

麻衣はまだ、真一の仕事を全く理解出来ていなかった。

「また、来ますよ。」

「はい、またお願いしますね。」

麻衣は、小さな声で寂しげな笑みを浮かべた。


それから、暫く真一は来なかった。

会いたいと思っても、麻衣は連絡先を知らない。

待つしかなかった。


会いたい会いたい会いたい。

少年の目をした真一に、早く会いたい。

そんなことを思いながら、数日が過ぎて、ある時

勢い良くドアが開いた。

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