元村人は勇者を待っている。

フジオリ。

第1話



「昔、この世界に魔王がいた」


 吟遊詩人の唄が聞こえる。

 少し足を止めて耳をすませる。


「魔王は人が嫌いでした、だから目の届く周辺の村々を踏み荒らし人を殺していきました。

 とある名もない村人が立ち上がったのはそんな魔王の魔の手が自分の村に及びそうになった時

 村人は先代の魔王が使ったという魔剣を手に、たった一人で魔王へと立ち向かった!

 その後は皆さん知っての通り

 村人は数多の奇跡を経て魔剣で魔物どもを斬り伏せ魔王のもとまで辿り着き、そして互いの刃を貫きあい相討ちとなりました──」



「あんな話、何が楽しいのかね」

「あの詩人は腕が悪い!」


 あの魔剣の逸話も魔王が人間を嫌った理由も無名の村人が立ち上がった理由も何も語られていないじゃないか!

 隣で憤慨する少年に「まあ、村人は勇者じゃないからしかたない」知らないことや知ろうとしないことが当たり前だとなだめる。


「実際魔王を倒せなかったから勇者ではないよ」


 そう、語られる村人は勇者ではない。

 勇者であれば同じ方法を取ったとしても泣いてる子供の心は救えただろう。


「神はいない、そんな世界の絶望から産み出される世界の嘆きが魔王だ」


 勇者の子孫として村で兄として慕われていた青年の言葉を思い出す。


「神はいないのに神子はいるの?」

「聖都のヘイスとデュオのことを言っているんだね

 たしかに聖都は神子が降臨した地だけどもう彼らはいない、心が旅立ったからあの地にあるのは抜け殻だけ、加護も奇跡ももう存在しない」

「でも勇者はいたんでしょ?」


 談笑しているそこに問いを投げた。

 笑うことをやめた無機質な目と目があった。


「勇者は人々の希望から選定される者だ、空気の読めない独りよがりの村人が勇者になることはできなかったんだよ」



 ※



 青年は悩んでいた。勇者の子孫であることを。


「先代の魔王が残した魔剣を管理する任を天使によって定められた、そのせいで旅に出ることも村から出ることも禁じられている」


 青年は羨んでいた。首都からきた一家を。


「お前はいいよな、好きな場所に行ける自由があって」


 それに気づいたのは全てが台無しになったあとだった。


「先代の魔王は寂しがり屋だった。

その魔王はどうしたらそばに人がいてくれるのかを考え魔剣を作った、斬った相手を捕らえる魔剣を。

 何千何万という命を捕らえた魔王はそれでも寂しくてその数を増やし続けていた

 けれど魔王は勇者と運命の出会いを果たす

 勇者は魔王に説き魔剣から人々を解放させるように言った

魔王は勇者の言葉をある条件をつけて聞き入れ、捕らえた人々を開放した」

「ある条件?」

「“私と共に在って”

 ……魔王は自ら魔剣の中に囚われ勇者によって管理されることを選んだ。

 そして勇者が死んでも魔剣という呪いは子孫に引き継がれた」


 青年の両親は最愛の息子を二人亡くしたことに代々語り継がれた先代の魔王と勇者の話を疲れた様子で語った。


「先代は嫉妬の魔王だったが今回は色欲の魔王、我々が対峙すべき魔王ではない」

「勇者の子孫なのに戦わないんですか」

「我々の中に魔王と戦える者がいない。

 私たちは歳をとった、それに魔剣の封印も解けない。

 戦おうにも戦えない

 魔剣であれば魔王も倒せるだろう、しかし勇者でなければ魔王の野望を挫くことはできない。世界の嘆きは癒されない」


 それを聞いて誰かに与えられた役割に固執する人々に絶望した。


 この人たちは問題を解決する気がないんだ

 勇者という都合のいい偶像に縋って自分たちは宿命だと被害者になることに嫌悪し決意した。


「人であるなら、立ち向かうべきだ!」


 村人である少女は立ち上がった。


始めの奇跡は対抗策である魔剣が近くにあったこと、そして封印を解く術を知っていたこと。


『聞いて!魔剣の封印を解く方法を父さんに教えてもらったんだ!』

『そっか、よかったね』

『その顔は信じてないな?

 フフン、じゃきみにだけ教えてあげる、封印を解く方法は──』

『……そんなことで解けるんだ、というか教えてよかったの?』

『うんいいよ、だってきみはいつか兄と結婚してこの村にいてくれるんしょう?』

『うーん、それは私一人が決められることじゃないなぁ』

『……じゃあ、兄と結婚しなくてもこの村にはいてくれる?』


 少年の不安げに揺れる瞳に「そのつもり」と笑って答えた。



「封印を解く術よりもみんなで生き残る術が知りたかったよ」


 ひたむきに願えばどんなことも成し遂げられるんだと信じていた。


「村人は身を弁えることを知らなかったから、勇者になれなかった」


 何もしようとしない村人たちに怒り

 村を滅ぼそうとする魔族に怒り

 犠牲者を生み出し続ける魔王に怒り


── その怒りのまま、魔剣を盗み魔族に立ち向かった。



魔王は村人を見つめた。


 “たった一人で独りぼっちの魔王が作った魔剣を持って立ち向かう人間”といえば一見勇者を指す言葉のはずだが、その人間は勇者であるための素質を持たないただの村人だった。


 村人風情が何ができる。

 わざわざ死ににくる少女を「見せしめのために殺すのも一興か」出迎えようと思ったのはただの気まぐれ。期待なんてしていない。


「でもきみが来てくれてよかった」


 少年が村でいた時と同じ顔で街を眺める。



 ※※



「勇者とは次の魔王を作り出す血脈の者にしかなれない」


 魔王の城について見慣れた顔に驚いた。死んだと聞かされていた友人がいたから。


「魔剣をありがとう、家から持ってくるのに骨だったんだよ」

「なんで、勇者の子孫がこんなところにいるの?」

「世界の絶望から産み出されるのが魔王というのは知ってる?

 個体がどう思ったところでその絶望は残りまた魔王が復活する。

 その絶望を引き継ぐ魔王になる素因がある人間が来ない限り生き続ける。

 前回の嫉妬の魔王の素因を別の魔王の素因を持つ人間がいたから倒された

 だからただの人間であるきみに倒されるわけがない」


 さ、剣を

 差し出される手から逃れるように足を引く。


「なぜきみが魔王になったの、それならお兄さんでも良かったじゃないか」

「ああ、兄はよそから来た女の子に恋をしてその女の子と仲良くしていた弟に嫉妬した。

『きみならきっとこの村から一緒に旅立ってくれる』って希望を持っていた」

「それは……」


 旅立つことはしない。だって自分は、自分の家族はあの村でしか平穏に暮らせなかった。


 事の始まりは数年前、姉が突如悪魔憑きになった事だ。

 それまで穏やかな性格だった姉は「私、もう優等生をやめる」と遊び呆けるようになりあまりの変貌ぶりに父が教会へ連れて行ったところ「悪魔憑き」だとして悪魔祓いを受けた。


 幸いなことに姉は悪魔が憑いていた間の記憶はなく、元の姉に戻った。姉だけは。


「悪魔憑きを生み出したそなたら家族が聖都で暮らすと?」


 教会の神父の蔑むような目を覚えている。

 商人だった父は悪魔憑きの父親として信用と立場を失い失業。

 教会に与する天使の家名を背負う偉人に「勇者の村で暮らしなさい、あそこなら悪魔憑きであってもなくても奇異の目を向けられることはないでしょう」というお告げから逃げるようにしてあの村にきた。


 だから、村がなくなったら困るから、ここに来た。


 ※※※※



「……魔王になった理由になってない」


ここに辿り着いた時と同じように魔剣をしっかりと握り少年を見つめる。


「お兄さんの死因と貴方が死んだことになってる理由はなんなの?」

「実の弟に姦淫した兄を殺してはいけなかったの?」

「な、」

「人であるために必要だった彼らはもう必要ではなくなったから言うけど

 きみの家が厳しいから婚前に手が出せなかった兄は僕で色欲を発散してたんだよ、僕は抵抗をしただけ……もう全部壊れたけど

 兄弟殺し、近親相姦という禁忌とされる罪を自分の息子たちがすることが受け入れられなかったんだとおもう

 父は僕らを斧で割き、母は僕らに火をつけた」


「──じゃ貴方は兄であり弟であると」


 そんなことができるのか


 ぐらりと頭を殴られたような衝撃を受ける。

 視界がチカチカする。聖都で姉が悪魔憑きだと判明した日のような痛みが走る。


 弟に姦淫し殺された兄を弟が殺し被害者であり守るべき者である息子を父が殺し二人を世に産み落とした母が遺体を残らぬよう灰にしようとした。

 なるほど、勇者の子孫がこれなら悪魔憑きなどくすむ訳だ。

 どういう因果でそうなったのかは知らないが後に死んだ弟の人格の方が濃いのようだ。


 ……友を斬れるかな?


「きみがそこまで聡い人だとは思わなかったよ」


 溜息が聞こえた。

 愚鈍だと阿呆だと陰でこそこそ言われていたのは知っていたが、酷くないかそれ


「ならなおさら貴方を倒さなきゃいけない」


 剣を構える。

 聖都にいた時暴れる姉とそのお友達への対抗策として剣術を習得していてよかった。

 剣の師からは「私ほどではないですがいいんじゃないですかね、紳士淑女の嗜みには決してならない無茶苦茶さですが」とお墨付きをもらっている。

 そしてここ数年畑仕事で鍛えた腕力が合わさればそれなりに戦えるのではないだろうか!


「訂正、やはりきみは馬鹿だ」


 いつかの無機質な目と目が合う。


「絶対に貴方を救ってみせる」

「倒すって言ったり救うって言ったり言ってること無茶苦茶なのわかってる?」

「貴方の野望を挫き貴方の傷ついた心を救ってみせる」

「ただの村人が?」

「その手段を貴方がくれた」


 この魔剣は先代の魔王が自害するのに使った剣だ。

 ということは魔王になった少年も傷つけることができる。

 そしてこの剣は斬った者を捕らえておける。

 具体的にどのようにして捕らえるのかはわからないが、まあなんとかなるでしょう。


「魔剣の封印を解くことができたことも驚きだけど、もう少し賢く生きなよ殺すけど」

「『大切な人を失った者の血と嘆き』で魔剣の封印は解ける、確かに解けたよ」

「きみに血を吐くほどの嘆きがあるとは思えないけど」

「とても大切な友人が亡くなったと聞いたんだ、血反吐だって吐くよ」

「……うるさい」


 黒い刃が肩に突き刺さる。

 その衝撃で思わず泣いてしまいたくなる。


「俺はきみを愛していたんだぞ!なのになぜ弟なんだ!」


 兄の嫉妬と色欲の混ざった嘆きが吐き出され、足元をぐらつかせる


「そばにいてくれた、一緒に悩んでくれた、どうしようもないくだらないことでも笑いあえた。

それ以上に尊ぶべき愛すべきものがあるものか」

「じゃどうして僕をもっと早くに助けてくれなかったの!」


 弟の嘆きが胸を刺す


「大切な友だって言っても気づいてくれなかったくせに!」

「だから今貴方を救いたいの」


 一歩踏み出す。

 足に刃が突き刺さる。


「貴方に私の苦しみや悲しみは知らない、知らなくていいから語っていない

けど私は貴方の苦しみや悲しみを知った」

「来ないで、黙って」

「いっ…たくない!」


 このままゆっくりしていたらその前に死ぬと思った。

 足の刃を引き抜き駆ける。

 狙いを胴体に絞ったのか刃が直線で飛んでくる。

 魔剣で心臓を守りながら刃の雨を突き抜け剣先の届く位置にまで詰める。


「来ないでって言ったのに」

「元からここに来る時に覚悟は決めていた」


 ただ怒りだけで駆けてきたわけじゃない。

 死ぬかもしれない恐怖を友人を失った悲しみとその思い出のある地を守るための義憤で殺してきただけだ。


「貫かれるのは不快」

「不快で済むだけいいじゃないか」


 口から血が垂れる。

 剣を突き出す時に心臓守っていた魔剣を動かした。

 刃が身体を貫くのが先だったが、身体を前進させてなんとか魔剣を友に突き刺した。


「意味ないのに」


 泡が解けるような音を立て刃が消え倒れかかる。


「もっといたぶって殺す予定だったのに」

「死体は好きにしてくれていいよ未練はない」


 魔王に成り果てた大切な人を抱きしめる


「ごめんね」


 他に言う言葉は思いつかなかった。


「なんで謝るのさ、救ってくれるんじゃなかったの

 …… ……ねえ、なんで黙ってるのさ」

「人は心臓を貫かれたら死ぬんですよ」

「だれ」

「そこの村人に成り下がった弟子を迎えに来た天使です、もっとも死んでしまいましたが」

「……これはぼくのだ」

「魔王ふぜいが何を言うのかと思えば、支配欲ですか愛欲もあったんですね」


 おお、弟子よ死んでしまうとは情けない!


 演技がかった言葉を吐く天使を自称する男に引き離されないように抱きしめる力を込める。


「先代の魔王は寂しいあまりにそばにいてくれる人を欲し、愛に挫かれ愛に満たされ自害しましたが

 貴方はしないんですか?友を殺しておいて」

「死んでない、ただ心臓が止まっただけだ死んでない」

「ですから魔王でも勇者でもないただの村人であるその子は心臓が止まったら死ぬんですって」

「そんなことない、さっきまで喋ってた」

「それこそ気合いで、死ぬことを覚悟の上だったから起こせた奇跡でしょう

 心臓が貫かれた時点で人は立ち続けることも抱きしめることも言葉を発することもできません

 魔剣の影響でわずかに人からブレてしまったんでしょうね

 でも所持してる期間が短すぎた。人外に変性することはなく人として死んだ」


 人として死んだことは褒めてあげましょう、人外は触りたくないですからね


「死んだ?」

「ええ、殺したのは貴方じゃないですか何を驚いているんです?

 それとも無茶苦茶な彼女が無茶苦茶な方法で大団円を迎えるとでも思っていたんですか?

 ただの村人がそんなことできるとでも?」


男に注いでいた視線を下ろす。

 そこにはいつも木陰の下ふで眠っている時と同じ顔の彼女がいた。


「だめだよ、まだ倒されてないよ」

「……」

「救ってくれるんじゃなかったの」


 額に額を擦り付ける。


「ところで知っていましたか

その魔剣、魂の保管ができることを」

「……先代の魔王が人々を捕らえた手段だね」

「魔剣は血を吸った人間の魂が貯蔵される

 使用者はただ魔剣が近くにあったから体が動かせたに過ぎません

 ということは封印を解くために魔剣に血を浴びせた彼女の魂は──



 ※


 長くて短い時間が流れたように思う。


 意識だけはずっとあって、師匠が迎えに来たことや魔王がうな垂れたところも見ていた。


 魔王はのちに「寿命が来るまでそこそこ反抗できないようにいたぶって楽しむつもりだった」と自供した。

 師匠は「わずかにでも自分と縁のある人間が死ぬ時どう思うのか味わいたくて来ただけです、死体には触らせてもらえませんでしたがそこそこ面白かったのでいいです」と好奇心を隠すことなく満足したように聖都へ帰っていった。


「まさかこの世に肉体を再生させられる霊薬があるとは」

「僕がきみの体に魔力を流し込み続けたおかげだね」

「……」


 霊薬があっても生体と死体の違いである自発的な変化がなかった体はあのまま腐るだけだった。

 師匠は「次の私に会うことがあれば恩を返しに来い」と霊薬を残して去った。

 あとは生前と同じような刺激があれば欠損した部位も治るだろう、と付け加えて


「脳に刺激を与え生前のように肉体に刺激を与え続けたから滞りなく再生したんだ」

「自力で魔力を作り出せない欠陥品になったけどね」


 溢れるほどの魔力を浴びた結果、体が魔力を作り出す機能が閉じた。

 お陰で魔力がある前提の人間社会で生きていくのが難しい。


 動けるようになって村に戻ろうとしたけど、村は無人になっていた。


「こんなあっさり村を見捨てるとはなかなかに薄情だ」


 自分もそうするだろうけど、一人魔王に立ち向かった若者に酷くはないか?

 荒れた田畑を見て「戻すのに骨が折れそうだ」ため息を吐くと「きみが思う以上に人は薄情だよ」悟った目をした魔王が自分たちの墓標に腰掛け「これだからこの村が嫌いなんだよ」吐き捨てるように嫌悪を口にする。


「私のへそくりは持って行かなかったみたい、ありがたい」

「僕らのは空だったよ、やはりうちの親だけでも殺そう」

「貴方の努力を無駄にすることになるけどいい?」


 魔剣の核にミスリルでできた金槌を添える。

 これが壊れれば私を生かした努力や意思を不意にすることができる。もうすでに死んだ身、一度しんでも二度死んでも同じことだ。


「……どうせろくな死に方しないだろうしもういいよ殺すのは諦める」

「うんうん、それがいいよ」


 金槌をしまう。師匠に餞別としてもらった工具一式も部屋に置いていってくれてよかった。


 結果として村人は魔王に敗北した。

 人への憎悪を癒せず助けてと泣き叫んでた心を救えなかった。


 勇者になりたいと思わないでもない。でも成れなかったんだから仕方がない、諦める。

 だから勇者が現れるまで魔王のそばにいる。


 継ぎ接ぎだらけの手を握る。


「旅に出ようか」

「村はいいの?」

「また戻って来ればいいよ、それにもし勇者が今現れたとしてそのまま貴方が倒されてしまうのは友として悲しい」

「人を襲ってもいいの?」

「その時は私は私を壊すだけだよ」

「きみは卑怯だ」

「あはは、貴方に情が残ってくれてて嬉しいよ」


 だから見捨てることもできない。

 今度は笑いながら村を後にした。


 かれこれ数十年前の話だ。

 霊薬の副作用か魔剣の呪いかはわからない

 お互い変わらない姿に、誰かに置いて行かれたような気分になる。


 きっと私だけなら魔剣を砕けば死ぬことはできるだろう。

 でも魔王になった少年は私がいなくなったあと勇者が表れるまで生き続けることになる。

 それはいやだ、次こそ彼らの終わりを見届けたい。



 元村人は勇者を待っている。


 今の魔王が出した犠牲を忘れたわけじゃない。けれどどう償えばいいのかわからない。

 だからせめて勇者が現れるまで魔王は死んだ噂を流しながら旅に出ている。

 人々は疑うことなく「魔王がいなくなった!」喜んでいた。

 隣でその魔王は「お前も同じ苦しみを味あわせてやろうか」と言わんばかりに睨んでいたけど。

 今まで魔王の発生から最も少ない被害で済んだことから話が広まることはもうないだろう。

 遠い地の話に共感し続けるほどこの世界の人間は情深くない。



「──斯くして一人の村人により色欲の魔王は封印された。

 いつか復活するその日まで勇者が現れるのを私たちは待つしかない

 我々は今物語の中を生きている」

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