レターの行先は

ラル

Prolog

from ××。


__もうこの世界から居なくなりたい。

そう思うようになったのはいつからなんだろうか。



誰かが助けを求めれば、助ける人はいる。

そんな現代の中で自分達はどちらにも属さない。いや正確にいえば “属せない“と言った方が正しいだろう。


家族の死。大切な人の死。自殺未遂。

殺人一家。尊敬者の死。誘拐。


思い出したくない過去を持った六人が集まったのは少しボロい見た目の屋敷。

全員が同じ “人物“に連れられたけど、その理由はそれぞれでバラバラだった。


「僕はね。君達をあるべき場所に返すそれだけ」


椅子に座りながらこちらをみる 少年のような子はそう、笑いながら言った。

少しだけ不気味なこの空間がいやで、外をふと見ればこの屋敷からとは想像つかない丁寧に手入れされた庭園が拡がっていた。



彩りよく咲く花達は自分たちとは真逆で生きようとしている。

__こんな自分達にも春は来るのだろうか。というか…この目の前にいる人物を信じていいのか。出会ってまだ数時間も経っていない 時々人間離れするこいつを。

そう思う心のどこかで、もしかしたら救われるかもしれないと思ってしまうのも事実ではあった。何処か今まで出会ったやつとは違うそいつを暫く見ていた。


確信なんてないはずなのにどうして



「僕はね。皆の過去を知ってる

助けてあげるなんて言わない。だけど__少しだけ手伝ってあげる。」




少しだけ意地悪そうに、口に人差し指を添えながら笑う “リン“と名乗ったものは そろそろここを案内しようか。と身軽に動き始めた

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