命を持ちたいラブドール

みなみくん

第1話 命を持ちたいラブドール

2068年


とんでもないものが流行してる


AIラブドール


一昔、、大昔のそれはビニールに空気入れて子供のおもちゃのようなクオリティのアダルトグッズだったみたいで


今はもう世に存在しないから実物を見たことがないけれど


今世間に出回ってるラブドールは最新のAIを組み込み、パッと見というか、完全に人間そのもの


アダルドグッズという括りを超えている


単に性処理としての用途目的だけでなく、独り身の人が寂しさから購入する


家族、パートナーとしての用途としても


開発した会社は爆発的に有名になった



謳い文句は


言葉は悪いけれど、

妥協する人間より我社のラブドール


ニュースで政治家の女性の人を筆頭に怒りを露にする人もいるけれど、あくまで商品なので否定の言葉以上のことは出来ない


そして世の男性はもちろん肯定的


飲み屋や風俗業やレンタル彼女に影響を及ぼすほどにラブドールは世間に受け入れられた


とはいえ、冷めた目で見れば結局はAI


ほぼ人間と同様といっても


その、ほぼはリアルな人間と絶対に埋まることの無い差


だけど、その隙間は孤独な現代人男性には差程問題がないようだ


大学でも持ち切りの話


みんなバイトに精を出して、中には休学してまで働いて購入するやつもいる


まあ、わかる気もしなくもないが


僕は差程興味がなかった


人間にも、AIにも


そう思ってた


その日までは



家でゴロゴロしている休日


メッセージアプリが届いた


誕生日おめっとさん


今日プレゼント配送しといたから夕方くらい家にいろよー


幼なじみの悠介から届いたメッセージ


忘れてた、今日誕生日だった


19歳か


もうあと1年したら20代突入かー


なんてぼんやり考えてた


夕方、配送業者から大きなケースが届いた


開けるとそこには



人が入っていた



いや、人と遜色ないラブドールが入っていた



この時は思ってなかった


あくまでAI、最新の技術で人に近い機械


これは、人になりたい、命を持ちたいAIラブドールと僕の不思議な話

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