LINE♪
ボストロール
第1話LINE♪
これはLINEがお贈りする現代のトークルームの話
(LINE♪)おーい通知が来たぞ
携帯の持ち主は急いでLINEの通知を見るが、意中のあの子ではない、ざんねん笑
こんな風景を眺めるのが、私の日課である。そう、この物語のナレーションを務めるのは私、[LINE]である。
私の中では日々人と人とのメッセージ交換が行われている。それはもう様々な会話、膨大な量の情報が行き来している、そしてその一つ一つに人の意思があり、込められた思いがある。
たかがメッセージと言えど心暖まる事もあれば、関係が消える事もある。
この物語ではそんな無数にあるトークのほんの一部を紹介しよう
例えば、この少年、中学2年生、同学年の女の子に恋をしているようだ。
今回はこの2人のLINEを見ていこう。
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21:35「今なにしてる?」
メッセージを打ったあとに送信するかどうかで20分も迷ったあげくのLINEである笑
今日は初めてのデートに誘う気のようだが果たして上手くいくのか
「金曜ロードショーみてるよ」21:42
「まじ!?」
「俺もパリポタ見てるよ!」
ウソつけ、お前はパリポタを見ていなかったし、今もパリポタよりLINEにかじりついているではないか
「終わった!」11:03
「おもしろかった!」
「おもしろかったね!パリポタ大好きなんだ
よね!全シリーズ見てる」
11:08「そうなんだ知らなかったw」
11:13「俺も好きだからさ、明日パリポタの最新作見に行かない?」
勇気を振り絞ってなんとか誘えたようだ、手汗で画面がベタベタだよ全く
「行きたい!」11:14
「2人で行くの?」
11:30「あー、誰か誘ってみる」
むむ!、女の子の「2人?」は必ずしも2人が嫌だからではない!相手の気持ちを確かめる意味も込められているのだ。ここで本心を言えないようでは進展しないぞ少年
「オッケーありがと」11:31
まぁこんなものだろう、LINEでは感情が読みづらい分逆に実際より不用意な発言が出来ないものである。
と言う事で今回は2人のLINEを除いたが、勇気を出して誘ったからといってそこで気を抜いていては、、、、
(LINE♪)
おや?
11:50「待って!」
「やっぱ2人で行かない?」
「うん!」
「楽しみにしてる!」
ふふふ、どうやら思ったよりもこの少年は見所があるようだ
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