俺、神と大悪魔のハーフでした

白悟那美 破捨多

第1話「俺、神と大悪魔のハーフだった」

皆は神や悪魔っていると思うか?俺ははっきり言って、そんなものはこの世に存在しないと思っている。よくテレビで人間に取り取り憑いた悪魔をを祓う番組があるけど、俺は全部嘘だと思っている。人間からして、存在するかもしれない目に見えないものや、UMAユーマと呼ばれる未確認生物は結局噂や嘘だと思う。

だが、俺の周りにいる少数の身近な人間はそういったものはいるとかなり信じていて、なんなら俺に信じさせるためにあの手この手で存在を認めさせようとしてくる。例えば、神や悪魔の出てくる本を本当にあった事だといいながら、まるで実際に見たかのように解説を入れて話し出したり、はたまた特定の悪魔や天使の名前と性格や好きな物、過去に何をしたのかなどを教えてきたりするのだ。それに対しては別に俺も信じはしないが、他人がそういったものを信じることに対してとやかく言うつもりは無い。だが、俺の言う少数の身近な人間とは両親と仲のいい幼なじみ2人の合計4人であり、その4人が両親は勿論幼なじみとなると、普通に生活を送っている以上絶対に普通の人よりは話す回数が多いため、そういう話を信じるまで永久にされるのだ。俺も信じるべきなのかとは思うが、どう考えてもいないものはいないと思っている。

そのためさっき言ったような事をほぼ毎日されるのだが、俺は既にそんなものには慣れているため別に気にしないしそれが普通になっている。だが、流石に今日のはドン引きしてしまう。今、俺の目の前には頭から角2本と背中から羽が生えている父、そして頭の上に輪っかが浮いていて、背中から翼が生えている母が映っているのだから。

「父さん...母さん...一体何をしてるの?」

俺が恐る恐る聞くと、2人は真剣な顔をして答えてくれる。

「あのな界繋かいな、落ち着いて聞いてくれ。

実は、父さんは魔界を統べる大悪魔で母さんは天界を仕切る神なんだ」

「は、何?どういうこと?ついにそういう方向にまでいっちゃったの?」

突然の父の告白に俺は混乱が隠せなかった。

「本当は父さん達もお前に正体を表さずに、このまま人間として過ごせる事を願っていたんだが、そういう事にはいかなくなってしまったんだよ」

「界繋、本当にごめんなさい。私も隠す気はなかったの。でも、まさかこんなにも早く事態が悪化するとは思っていなかったのよ」

「いや、隠すだとか正体だとか言われたって、俺は今何が起きてるのか全く分からないんだよ。家に帰ってきたら急にそんな事言われて混乱してるんだよ」

「それは勿論父さん達もわかっているさ。だが、今起きている問題を解決するにはお前が絶対に必要なんだ。だから、私達はお前に本当の事実を言わないといけないんだ」

「な、なんだよ。これ以上何があるってんだよ。父さんが大悪魔で母さんが神って事はもう聞いたよ。父さん達に昔からずっとそういう類のものは存在するって言われ続けてきたからある程度は俺も少し理解出来たけど、普通にまだ全然何がなんだかわかってねぇんだからな。」

「そうだな。界繋には今までずっと悪魔や天使は存在すると言ってきた。それは、他でもなく父さんも母さんも人間ではないからだ。つまり、これがどういうことか分かるな?」

「分かるわけねぇよ!父さんも母さんも人間じゃないって事がどういう事かだって?言ってることが全然...いや、待てよ。父さんも母さんも人間じゃないってつまりは....」

「そういう事だ。界繋、お前は人間じゃないんだよ。お前は神と大悪魔のハーフとして生まれてきたんだ」

「俺が、人間じゃない.....」

悪魔や天使なんて存在しないと思っていた俺だったが、なんと父は大悪魔で母は神、そしてその子供である俺は大悪魔と天使のハーフでした。

「何故、父さん達が今この事を伝えたのかを今から話す。よく聞いてくれ」

父さんの真剣な目には、嘘偽りを全く感じ取れず、俺はまだ頭の整理が追いついていなかったが、これは一大事だと思い父さんの話を聞くのだった。

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