第6話 ファインダー越しの愛



 ねぇ

 こちらを向いてくれない

 あなたを私のファインダーの中に

 入れたいのよ


 だって

 とても、とても

 あなたが愛おしくて


 とても、とても

 あなたを愛しているから


 私、あなたをこれからさきも

 私のファインダーの中で

 ずっと、ずっと

 眺めていたいの


 だから

 私だけのファインダーの中で

 私だけのために生きてくれないと、厭よ。


 ねぇ、分かっている?

 わかったらほら、そこに立ってよ


 私が

 シャッターのボタンを押すまで

 ずっと、ずっと

 そこに立っていて、お願いよ。


 ずっと、ずっと

 お願いよ。


 私は

 ファインダー越しに

 あなたの愛を確認しているのだから

 愛のピリオドのボタンの音が鳴るまで

 ずっと、ずっと

 あなたを

 見させて下さい。



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