そんなことはないこともないだろうがない

バブみ道日丿宮組

お題:幸福な衝撃 制限時間:15分

そんなことはないこともないだろうがない

 いつも通り彼女と一緒に登校してると、

「……赤ちゃんできたかも」

 衝撃的な言葉が生まれた。

 何言ってるのだろうと、その顔を見て、

「それはないでしょ」

 至極当然のように、言葉を返す。

「だって、だって、生理こないんだもの」

「それはたまたまでしょ」

 うんうんと、頷く。いつも通りこないこともあるのが、生理というものだ。だからこそ、大変なのだ。

「できてたら、どうする?」

「どうするって……」

 妊娠というのは一般的には喜ばしいことだ。新たな生命の誕生というのは何であってもめでたい。

 しかし。

「同性でそれはないでしょ」

 私たちは女の子同士のカップル。つまりはレズ。男の子の持つ精子が卵子にたどり着くことは決してない。ありえないのだ。

 無論やることはやってる。が、陰部と陰部がぶつかったとしても、受精されることはない。あったら、報道されかねない。

「もしかして、誰かにレイプされたとか、それとも痴漢?」

 心配が表情に浮かぶ。

「ち、違うよ!? さ、されてないから」

 恥ずかしいのか、彼女はばんばんと私の肩を叩いた。

 そのたびに、大きい胸が揺れた。実に良い。いますぐ揉みたいという感情を抑える。ここは通学路。誰が見てるのかわからない。感情を抑えなくては。

「それならいいけど」

 揺れにときめかない男はいないだろう。

 教室でたまに男の子が見てるのは知ってる。知らないのは本人くらいなもので、いやらしい目を男の子はしてる。時たま隠したりすると、途端に嫌そうな、残念そうな顔を彼らはする。

 ひどいものだ。

 私だって、女の子。見てほしいとは思わないけれど、残念がられるのは心外だ!

 好きな人に揉まれたら、大きくなるってのは迷信だ。

 たくさんやってきたというのに、大きくなるのは彼女だけで、私の方は進化なし。

 遺伝か。胸の成長しない遺伝。

「どうしたの?」

「なんでもない。生命の神秘はすごいなって思って。それじゃぁさ、学校終わったら病院に一緒に行こ。調べてもらえば、すぐわかるでしょ」

「う、うん」

 心配そうな表情になったので、手をつなぐ。

「ずっと一緒だから」

「うん!」

 表情が明るくなった。

 そうでなきゃ。男の子内の笑顔が素敵ランキングのクイーンはね!

 なんでそんなことを知ってるかって?

 男の子たちが結構なボリュームで話してるからだよ!

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そんなことはないこともないだろうがない バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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