8〜②〜

『ひゃっはー!この世の全てをここに察知。うぃーんうぃーん』


バッサァァ


「おーっと!山井選手、俺の布団をひっくり返したぁー!後でドロップキックの刑だぁー!」


[نېباوخیئبۇجحثصصفم、ذیبزیئدخبثبانکنسثفنتبفبلنت《バカが、そんなところにあるわけないだろうが》]


ガササササササササササササ


「吉田選手、もはや何を言ってるかわからない!とりあえずお前後でタンスん中元に戻してもらうぞー!」


『クソ!ないだと!?』


「例えあってもひっくり返したら無くなるに決まっているぅ!こいつぁバカなのかぁー!!」


〜10分後〜


[ここならあると思ったが、くそ!]


 暑さで言語が狂った山井が元に戻り、そのまま探し続けるも見つけられない。そんなに難しい所に隠してないはずなんだけどなぁ。


『吉田も見つけられなかったか………こうなったら吉田』

[そうだな山井]

『[荒らすぞ!]』

「殺すぞ!!!」


 そこからは地獄だった。こいつら布団どころかタンスに椅子、ゴミ箱だけでは飽き足らず、机すらも物理的にもひっくり返しやがった。それで出るのは虫とゴミ、小銭だけ。

 こいつらまじでぶっ飛ばしていいよね?


『くそ!なんでないんだ!』

[ここまでやったんだぞ!?]

「やりすぎなんだよ!阿鼻叫喚だぞ!この世の地獄!俺の部屋が廃墟になったじゃん!はぁ!?廃墟じゃねぇよ!」


  どっちかっていうとゴミ屋敷誰がゴミじゃ!屋敷じゃねぇ!違うそうじゃない!


[く、田中がバグり始めた!]


『山井、一回落ち着こう。後20分もあるんだぜ?』


[あぁ、そうだな。落ち着こう。ほら田中も落ち着け]


 山井はそう言って、俺の肩に手を置いてきた。


「いったい誰のせいだとお思いで?わたくしを舐めていらっしゃるのかしら?汚らしいカスめが」


『暴言のオンパレードやな』

[これが本性、か]


 うざ、なんやこいつらまじで。


[こうなったらマニィーレィダァ(マネーレーダー)を使うしかねぇ!]

『な、なんだそれは?!』

[説明しよう!マニィーレィダァとは、金を察知することなのだ!]

『な、なんだってぇぇえぇえぇえぇえ?!?!?!』

「捻りがねぇの。ネーミングセンス0どころかマイナス行ってんな」


[まぁ見とけって?いくぞ?金どこじゃぁ!!!!!!!!]


 そう叫び、(物の)山に突っ込んでいく吉田。その姿はまさに、変態のそれだった。


[んぅ?この辺から感じるぞ!?ヒャッハー!!金目のものを出しなぁー!]


『いいぞ吉田!いけいけー!!』


 この2人の様子を見ながら、俺は1つ、心に誓った。


「もう、二度とこんなゲームやんねぇ」

[あったぁぁぁぁぁぁぁ!!!]

『ウォォォォォォォォ!!!!!!!!!』


 夏の暑い日。軽い気持ちで行動すると、すごく、後悔をする。


「………片付け手伝えよ?」

[あ!おやつの時間だ!(現在16:32分)]

『用事を思い出したわ!じゃーな!』


「逃げられると、思うなよ!!!!!!」


〜完〜

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る