静かな絵

ドレッサーの鏡に映っている小さな絵

あの日の帰り道に寄った小さい画廊の個展

黒い背景に深く青い三角形と金色のしずく

黒は岩絵具

青はラピスラズリ

しずくは金箔なんだって

何もない黒い闇

吸い込まれそうな押しつぶされそうな青い心と

外に飛び出していきそうな金色の涙に見えた

何を描いたのって尋ねたら

見た人の心が決めるんですよって

納得させるような無責任

決して色褪せないんですよって

それじゃ私がいつまでも寂しいみたいじゃない

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