私の瞳に映るあなた
全3話の短編の、第1話の前半を使用しました。
始まりは、化学室へ忘れ物を取りに行った時から。
普段から私はどこか抜けてるけど、この時ばかりは自分のぼんやりとした性格を呪った。
昼休み。誰もいないはずの化学室。
それなのに扉を少し開けば、水音がした。
この時、すぐに扉を閉めればよかったのに、私は音の正体を探ってしまった。
カーテンは雑に閉めれ、少しだけ外の光を受け入れた薄暗い部屋の中に浮かび上がるシルエットは、ぴったりとくっつき過ぎて1人に見えた。
でも、暗い影を落とすその顔の口元は、別の誰かが隠している。
それが同じクラスの小宮くんだとすぐにわかった。
だって彼は目立つから。
いつも女の子と一緒だから。
それも、いろんな女の子と。
今、目の前で繰り広げられているのは、親密な男女がする行為。音を立てて、甘い蜜でも貪るように口付けをする女の子。時折漏れる、艶かしい声。
それが私の耳にまとわりつく。
唖然と立ちすくんでいた時間が、永遠のように思えた。
その呪縛を解いたのは、小宮くん。
彼の目がゆっくりと開いて、私を捉えた気がしたから。
ごめんなさい!
心の中で謝って、私は駆け出した。
だって彼の目が、覗き見をしていた私を、愉快そうに笑った気がしたから。
ここからAIさんです。
それからは必死だった。
とにかく走って、気付いたら下駄箱まで来ていた。靴も履き替えずに、そのまま外へ飛び出す。
どうしよう。
見られたかもしれない。
見られたかも……しれないよね? そうだよ。きっと見られた。
ううん。絶対見られちゃった。
あぁ。もうだめだ。おしまいだ。恥ずかしくて死んじゃいたい。
それに何より、あんな光景を見てしまった自分が許せない。
「うぅ……。」
泣きそうな声でうめく。
そんな時、スマホが震えた。
画面には『小宮』の文字。
恐る恐る電話に出る。
「もしもし?」
「俺だけどさー。お前どこいんの?まだ学校?」
相変わらず、軽い感じの声色。
なんでこの人はこんなにも平然としてられるんだろう。
「……化学室だよ。忘れ物取りに行ってたら、偶然見ちゃったの。」
「ふーん。それで?」
「それだけ。じゃあね!」
「ちょっ……」
言い終わる前に、通話終了ボタンをタップしてやった。
これでいいんだよ。
小宮くんには彼女がいるんだから。
私なんかが入り込む隙はないんだもん。わかっていたはずなのに、やっぱりショックだった。
涙が出そうになるのをぐっと堪えて、校舎を出る。
するとそこには……。
「えっ!?どうしてここに!?」
「迎えに来たんだけど?」
小宮くんがいた。
「彼女さんは?まさか置き去りにして来たとか言わないよね?」
「置いてきたけど?」
さらりととんでもない事を言ってのける小宮くんに呆れる。
「なんてことすんの!?」
「あいつとはただの遊び相手だし。別に本命がいるわけじゃないから気にしない。」
あっけらかんと言い放つ小宮くんに腹が立った。
「最低!!」
「そう怒るなって。それよりさっきのこと誰にも言うなよ?あの女と付き合ってるって噂されたら面倒だからさ。」
「言える訳がないじゃん!もう知らない!!」
私は怒りに任せて走り出す。
後ろから小宮くんの声が追いかけてくるけど、振り返らなかった。だって振り向いたらまた小宮くんの顔を見ることになるから。そうしたら泣いてしまうと思ったから。
こうして私は失恋をした。
小宮くんのせいで。そして小宮くんは私のおかげで失恋した。
小宮くんのせいなのに、彼は私に感謝した。
その日以来、私たちはよく話すようになった。友達になったからと言っても、それは表面上だけ。2人きりになっても、小宮くんはいつものように軽口を叩くだけ。
でも私は、彼が優しいことも知っていた。
私が困っている時は助けてくれるし、落ち込んでいる時には慰めてくれたりもした。2人で出かけたりもし始めて、気付いたら私の中で彼の存在は日に日に大きくなっていた。
そんな時、事件が起こった。
あれは確か、夏休みに入る前の事。
「小宮くんは、好きな人とかいないの?」
いつも通り、一緒に帰ろうとしていた時に、つい聞いてしまった言葉。
「俺?俺は……」
そこで小宮くんは黙ってしまった。
その沈黙は少しだけ長くて、なんだか不安になる。
でも小宮くんはすぐにいつもの調子に戻って、こう言った。
「俺には心に決めた人がいますから!」……は? なにそれ。
どういう意味? 私には小宮くんの言っていることが理解できなかった。
「……小宮くんは、私の事が嫌いなんですか?」
思わず口から出てしまったのは、自分でも驚くほど冷たい声だった。
小宮くんはそんな私を見て、少し目を見開いた後、眉間にシワを寄せた。
「はぁ……。そうやってすぐ泣くところ、ウザいんだけど。そういう所が嫌なんだよ。」……嘘つき。
本当は、泣き虫で弱っちい私を守ってくれるくせに。
でも私はそれ以上何も言えなかった。
小宮くんが去って行く背中を見ながら、私は涙を流していた。
それからしばらくして、私は小宮くんに呼び出される事になる。
放課後、私は1人で図書室にいた。
テストが近いから、勉強をしようと思っていたのだけれど、どうにもやる気が起きなくて、結局1時間くらいぼーっと過ごしている。
すると突然、目の前に影ができた。
見上げるとそこにいたのは、小宮くんだった。
「小宮くんどうしたの?」
「ちょっと話があるんだ。こっち来て。」
「えっ?何の話かな?」
「いいから早く。」
有無を言わさない様子の小宮くんに連れられ、人気のない場所まで移動する。「ここなら大丈夫だろ。」
「で、なんのお話し?」
「単刀直入に言うわ。お前さぁ、いつまで泣き続けるつもり?」
「……。」
「いい加減、ウザイんだけど。」
「ごめんなさい。」
「謝って欲しいわけじゃないんだよ。はっきり言って迷惑だからやめて欲しいんだよね。」
「……わかったよ。努力するね。」
「はぁ……。全然わかってくれてないじゃん。」
「小宮くんにはわからないと思うけど、私は弱いの。誰かの助けが無いと生きていけないくらい弱くて惨めな人間なの。」
「そんなの知ったことじゃねぇし。」……は?
「あんたが誰に嫌われようと、泣こうが喚こうが関係ない。俺はただ、自分の身を守るために仕方なくやってるだけだから。」
「なにそれ……。」
「だからさ、邪魔なんだよ。もう関わらないでくれない?」
「そんなの無理だよ!!だって私は、小宮くんの事が好きになっちゃったから!!」
気づいたら叫んでいた。
もう自分が何を言ってるのかもわからない。
ただ、胸の奥から湧き上がる感情が、涙となって溢れ出てくる。
小宮くんはそんな私を見てギョッとした顔をした後、「マジかよ」と呟いて頭を抱えた。
「あのさ、俺のどこが好きなわけ?」
「全部!優しいところとか、カッコイイところとか、頼りになるところとか、面倒みが良いところとか、意外とお喋りなところとか、私を助けてくれた事とか、他にもたくさんあるけど、とにかく好き!!」
「はは、すげぇな。」
小宮くんは乾いた笑いを浮かべた後、真剣な表情になった。
「悪いけど俺はお前の気持ちに応えることはできない。」
「うん、知ってる。」
「あ、そうなの?」「だって小宮くんは私の事を好きにならないもん。私に本命がいるように、小宮くんにも本命がいるんでしょ?」
「はぁ!?なんでそう思うんだよ!」
「見てればわかるよ。それに、私も小宮くんの事は好きだけど、恋愛的な意味で好きな訳じゃないから。友達として好きなだけ。」
「そっか。ま、そういう事だ。じゃあな。」
「待って!最後に一つだけ教えて?」
「なんだ?」
「どうして私が泣いてると助けてくれるの?」
「それは……別に、大した理由なんて無い。」
「嘘。絶対何か理由があるはず。」
「……俺には心に決めた人がいたんだ。でも、その人は俺なんかよりずっと強くて、俺には手の届かない存在だった。」
「……小宮くんはその人の事が本当に大好きなんだね。」
「ああ。俺は彼女の為ならなんでもできる。だからお前を助けたのも、ただそれだけだ。」
「ふぅん。小宮くんは強いんだね。」
「いや、そんな事は無い。本当は弱いし情けない奴だと思う。でも、そうやって逃げてるだけじゃ何も変わらないから。」
そう言い残して去って行く彼の後ろ姿を、私はボーっと眺めていた。
そして気付いた時には、私も家に向かって走り出していた。私は今日から変わるんだ。今までのように泣き虫のままではいられない。小宮くんに言われた通り、私は強くなる。
だから私は走る。
今よりももっと強くなって、小宮くんに追いつくために。
小宮くんの事が好きだから。
ーーーーーーー 〜あとがき〜 このお話はフィクションです。実際の人物・団体とは一切関係ありません。(笑)
もし面白かったと思って頂けたなら、フォロー、星評価よろしくお願いします!!
以下、ソラノです。
いやもう、じれったい!
でもそのじれったさを理解しているAIさんがすごい。
けれど長い文章になると、ぎこちなさが目立ちますね。
それと、「おはよう。」みたいに、文末に句点がついていますね。
前半の私の文章が声に出すセリフがないので、AIさんが自分で判断して書いたようです。
それと、お試し版でやってみた時、もっと違った展開だったのです。
その続きが読みたかったですが、ランダムなようで巡り会えませんでした…。
私の物語の小宮くんよりも、もっと小悪魔な感じだったのですよ。
魅力的なキャラに変身させたAIさんに、普通に嫉妬しました(笑)
そしてあとがきですが、私が書きそうな感じで書かれていて、これすごいなと、笑いました(笑)
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