第7話 創作辞めようと思ったことありませんか?




 今週も一週間お疲れさまでした。

 入梅した地域もあるようで、今年は災害が起きませんように…。


 今回は先週ソラノ ヒナさまのコメントからの着想です。


 既に二十数年、細々と活動を続けてこられましたが、その間には様々な理由で活動を終了された方も多く見てきました。


 ご家庭の都合などでやむなくという方も多い一方で、


「人気がないから辞めます」

「面白い物が書けないので終了です」


 こういった最後のメッセージを残す方も多いのです。



 さて、「人気がない」「面白くない」というのはどこで判断されているのでしょう。一番分かりやすいのはPVでしょうか? 確かにそうですね…数字は時として残酷です。


 今の私だって、全作品当日のPVがゼロという日は珍しくありません…むしろ慣れっこです(良い悪いは別にして…)。


 読んで下さる方のご都合もありますし、新作ラッシュの中に埋もれてしまい、目立たない状況でまだ日の光を浴びていないだけなのかも? でもそれは一時の現象であり、出し続けていることで別の機会を起点に人の目に触れることもあります。


 そしてもう一つ「面白い話が書けなくなった」というもの。


 本当にそうでしょうか?


 拝読すると「確かに続けるの大変だな…」と思ってしまうケースは大体同じです。


 毎話様々な大イベントが目白押しでの連日更新。ネタを書き尽くしてしまい疲労と新たなネタを思いつけず→PVが下がる→面白く書けないと思ってしまうのです。


 例えばジェットコースターで、勢いがつくのは下りですね。でも永遠に下り続けることはできません。必ずどこかで平坦な部分、上りでスピードダウンする部分があるはずです。


 私も作品で日常生活を書いている中で、所々に山や谷を持ってくることで、強弱を付けます。もちろんクライマックスに向けて少しずつ山を登らせているのですけれど、そこはあまり強調しすぎないようにしています。


 日常平日を書くというのはとても難しいと同時に勇気のいる技法だと思います。次への仕込みの重要部分な一方、読者さまを退屈させずに次の山まで読み進めていただかなければなりません。


 これが山下りばかりでは、読み手の方もそれに慣れてしまうこと、同時に書き手もさらにスリルのある下りを作ろうと、次々に持ちネタを消費してしまいます。その材料が尽きてしまい、平坦な部分になったときに「書けなくなった」と思いこんでしまうのです。


 私たちのリアルな生活でも特別な日が連続することはなく、平日の中に記念日が存在するわけですよね。大イベントが発生しない平日を上手に使うこと。そこで場面を切り替えて次に繋げていく。これが私も読ませて頂いている数々の作家さまが実践していることだと感じています。またそれを、平坦部と感じさせないところも作家さまの腕だと思うのです。


 私もこれは最初悩みました。ところが、今の私の書棚に収まっている漫画や小説は日常を描写している作品が大半なのです。


 それも恐らく以前(第5話)に話した少年漫画と少女漫画の作り方の差に発端があるのだと思います。少女漫画のストーリー連載は毎回必ずしもイベントが発生せず、最後に向けて少しずつ積み上げていきます。


 恋愛作品を単純に考えてみても、恋愛成就か否かという最大のイベントを最後に控えているわけですから、そこまでの道に多少の凹凸おうとつはあっても、最後に比べれば小さな物です。それらを丁寧に綴るための状況や心理の描写は今も試行錯誤が続きます。


 「書けなくなった」と筆を折る前に、「お休み(充電)期間」なのか「本当に終了」なのかを悩んでからでも遅くないのです。一度筆を置かれ活動休止した方でも、ネタが浮かんだ、子育てや仕事が一段落して時間を見つけた…いつでも戻ってきていいと思います。だって一度は書けたのですから。


 微力ながら、いつでも「お帰りなさい」と言えるような存在でありたい私です。


 最後に、ご自身に責がなく第三者の不当な圧力によって創作を辞めることを考えてしまっている方には、引退を発表する前に、一度立ち止まって頂きたいのです。スピードダウンしても構わない。これまでついてきて下さった読者さまを見捨ててしまっていいのかも考えて下さいね。


 そのような不当外圧にはいろいろな対応策があります。特にカクヨムではそういった誹謗中傷行為は明確に規約違反とありますから、運営の力を借りることは恥ずかしいことではありません。


 困ったときはご自身の読者さまも味方です。みんなで考えていけばよいのです。


 ネタが浮かばない!なんてことでも構わないと思います。実際に私もそんな場から代表作が生まれてしまったのですから。事実ですよ!? それは次回にしましょう。


 今週もお越しくださりありがとうございました。


 また来週こちらでお待ちしております。


 どうぞ、よい週末をお過ごし下さい…。

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