第70話 俺聞いてないんだけど
そして更に、二人同時に好感度を測る方法があるのだが、それが──
「なぁ、今度一緒に泊まりで川でも行かないか? 俺の親の別荘の一つに良い感じのところがあるんだが?」
──二人同時に泊りがけの旅行に誘う事である。
そしてゲームならば二人の好感度が一定ライン以上であればお泊まりイベントからの姉妹丼イベントの流れである。
しかしながら、流石にちょっといくら何でも現段階では拒否されるだろう。
特に妹に関してはいくら俺の事を下の名前で呼ぶようになったとはいえ、今でこそアポなしで俺の家に来るようになったのだがそれもここ一週間程度なのである。
いくら何でも早すぎると俺も思うし、何なら姉妹両方から断ってくれる可能性だってまだあるのだ。
もしここで両方から断られた場合はこのまま付かず離れずを維持すれば良いし、姉である彩音だけ参加の場合も妹である莉音はそのままの距離感を保ち、姉の彩音に対しても一線を超えないように耐えれば良いだけである。
とりあえず言えることはここで二人の好感度を知り、これからの立ち回りを微調整する事ができるのはかなり大きいと言えよう。
これこそがエロゲの知識を持っている俺だからこそできるチート能力の力でもある。
これがどれほどチートかと言うと、ぶっちゃけ攻略本片手に攻略するような物である。
「そ、そうね。 祐也さんがそういうなら行っても良いと思います。 祐也さんがそこまで
なんか言い方に少しだけイラッとするのだが、予め彩音が俺の提案に乗ってくる可能性が高いと思っていた為俺の計算通りだと言えよう。
やはり、この事からもゲームの知識はチート能力と言えよう。
後は妹に断られて今回の検証も終わりである。
「べ、別に行ってあげても良いかなぁー……とか思ったり。 あ、ほっ、ほらっ!! 祐也みたいな人間と私のお姉ちゃんと二人きりで泊まりの旅行に行かせるなんて、絶対に何か良からぬ事をするに決まっているわっ!! この私の目が黒い内は絶対にそんな事はさせないんだからっ!!」
「当然側仕えある私も行きますので二人っきりではないですが。 と言うか二人っきりにさせません」
「あーはいはい。 莉音は行かないって知ってたよ。 美咲もあんまりこん詰めすぎるなよ」
「だから行くって言ってんでしょうがっ!! 耳腐ってるんじゃないのっ!?」
何だろうか? この北条姉妹はいちいちイラっとする言い方をしないといけない病気にかかっているのだろうか? え? ちょっと待ってほしい。 莉音来るの? は? 俺聞いてないんだけど。
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