第47話 一矢報いる方法は無いものか
「はぁ……? ふざけんじゃねぇっ!! 俺はここから出ていかないからなっ!!」
「そうか、ならば私達がここから出ていこう。 この家も売り払うからどの道お前も今月一杯で出て行くように」
そして親父はそう言うとお袋と一緒に家から出て行くではないか。
あらかじめ出ていく準備はしていたようで、鞄を何個か持って俺の前からいなくなる。
今この家には俺一人で、俺の実家にも関わらず今まで感じた事のない冷たさを感じてしまう。
「何で俺がこんな惨めな気分にならなきゃいけないんだよ……ふざけるなよ」
そして、少し時間が経ちこの空気に慣れて来れば、次は怒りが俺を支配してきたのでそれを発散する為にせめて愚痴だけは言おうと友人へアプリを使って通話メッセージを送る。
『あ? 良くのうのうと俺に通話して来たなこのゴミ野郎がっ!! お前のせいで俺の人生めちゃくちゃだよっ!! お前が大丈夫だって言うから今までついて来たのに何だこれっ!? なぁっ!? 何が「西條なんか俺が一発殴れば言う事を聞く」だよっ!? 逆にその取り巻きにすら勝てないとかただの口だけの雑魚じゃねぇかっ!! 絶対に許さねぇからなっ!!』
「あっ! おいっ!! 切れやがったっ!! 糞がよっ!! なんで俺が悪いみたいになってんだよふざけやがってっ!!」
ついさっきまで西條の悪口で語りながら帰路についたと言うのに、何でこの数時間で西條祐也ではなくて俺の事を悪く言い始めるんだよっ!!
そう思いながら俺はこの怒りと共に発散しようともう一人へ通話メッセージを送る。
『死ねゴミッ!! 俺がどんな思いでこの学園に入ったと思ってんだよっ!! この学園に入る為に中学時代の努力が全てが水の泡じゃねぇかっ!! どう責任とってくれるんだ? あぁっ!?』
「は? 意味わかんねぇよっ!? 俺が何したって言うんだよっ!!」
「何をした? そんな事もわからないくらいバカなのかよ、ありえねぇわ。 とりあえずバカなのは分かった所で許されたと思うなよボケ。 お前のせいで親からも縁切られるしよぉ。 絶対に緩さねぇからな……』
「おいっ!! くそっ! コイツも途中で切れやがったっ!!」
畜生……どうなってやがるっ!! 絶対に西條の野郎が何かしやがっただろっ!? こんな偶然がある訳がないっ!!
「フッざけんなよっ!!」
思わず怒りで目につく物を片っ端に殴って落ちつかせる。
何かアイツに一矢報いる方法は無いものか。
そう考えていると、スマホに誰からか連絡が来た音がしたので急いで確認するそ、そこには『死ねゴミ』と言う捨て垢だろうアカウントから連絡が来ているではないか。
最初こそ先程通話した二人のどちらかと思っていたが、その後立て続けに連絡が来始め、そして携帯が鳴り止まなくなる程の罵詈雑言誹謗中傷が来始めて止まらなくなるではないか。
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