川を渡る

 不安の種が育つのは早い。たった数日の間に大きくなった、酷く捻れて曲がった立派な罪悪感で、私の頭はいっぱいだった。あの日の答えは出ないまま、なのに、怖い。


「お姉ちゃん、ご飯できたよ」


『お姉ちゃん、早く──でよ』


 彼女だけが唯一、私の生きている理由で。私をこの世に繋ぎ止める唯一の鎖で。彼女の足枷となってまで、私がしがみつく理由なんて無くて。


 怖い? 何が?


 足枷なんて邪魔なものは、外してあげなきゃ。


 そうでしょう?




















「お姉ちゃん、何してるの!」

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