パンツ出現

バブみ道日丿宮組

お題:絶望的な愉快犯 制限時間:15分

パンツ出現

 一限目の授業が中止され、全校集会がはじまった。

 長いお説教と注意勧告で、凄く眠たかった。

 内容はすごくくだらない。

 すべての教室に大量のパンツがあった。

 ただそれだけだ。

 登校した男子は興奮してて、女子は恥ずかしがってた。

 どうやら女子のなくなってたパンツが自分の教室にあったということ。

 僕のももちろんあった。通りで探しても見つからなかったわけだ。

 どうでもいいことじゃないけど、すごくどうでもいいような事件。

 犯人探しは警察の役目にするとのことだ。パンツは証拠として、提出するようにと校長は話す。お気に入りの下着なので、渡したくない。

 当然女子から嫌がる声があがる。

 知らない誰かに触られたくないってことだろう。僕もそれは同意見だ。

 しかしまぁ……中学1,2,3年の女子の家に忍び込んで、パンツだけを盗む。そしてそれらを学校に持っていき、ばらまく。どう考えても変態だが、手口がわかることはないと思う。

 忍者というか、超能力というか、そんな能力がなければ、実行できないような出来事。

 つまり逮捕は絶望的。

 今後も同じようながあるならば、女子のパンツは禁止にすると、わけのわからないことを最後に校長が口にする。

 何、ノーパンでこいと?

 ざわつく体育館。

 教頭が慌てて壇上にあがり、パンツを禁止にすることはありませんと発表した。

 男子から残念そうな声。

 いや、パンツ禁止になってもノーパンってことはないからね? わかってるよね?

 教室に戻ると、黒板前にビニール袋が用意されて、一人ずつ入れてく。

 全員が恥ずかしがってた。

 これが自分のですと、公表するようなものだ。

 あいつ紐パンなんだ。くまのパンツかよ。予想通りのパンツだな。

 男子はウザかった。

 僕のときは反応しなかった。キレそう。

 大量のパンツが入った袋を教師は持って、職員室へと向かってった。

 こうして、難解な事件のはじまりが終わった。

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パンツ出現 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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