-4- 教室

真夏は、昌彦と信頼関係が出来たが、高校では、相変わらず居場所を感じられずにいた。いじめられたり、仲間外れにされているわけではないが、クラスメイトたちは、真夏のことを

「一人が好きな人」

と、誤解している風でもあった。

真夏は、休み時間や昼休みに、昌彦にLINEをするようになった。昌彦は、真夏に、おすすめの本や簡単な洋書を紹介してくれた。

休み時間は読書を楽しめるようになり、真夏の学校での居心地の悪さは、徐々に解消されていった。


高校2年生の夏休み、真夏に、昌彦からこんなLINEが来た。

「今度、久しぶりに会わない?」

真夏は、しばらく考えて、

「私なんかと会っても、何もいいことないかもしれないです。でも、それで良ければ。」

と、返信した。

「そんなことないよ、もっと自分に自信を持って。」

という昌彦からのLINEを読んで、ああ、この人は、いつも自分が言ってほしいことを言ってくれる、と真夏は思った。

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