第6話

「嫌がらせ??」


「そーなのよっ。この学校の女子は陰湿ね。

私の筆箱は忽然と消えるわ、更にお母さんが作ってくれたお弁当も忽然と消えたのよ」


「財布も消えたから、コンビニにパンとか買いに行けないしっっ!」


「あと、体育の時間に

私のとこばっかり、スパイクを打ってくる女がいてさー、マジで頭きた。あ、でも

全部レシーブしたけど!」


「筆記用具は隣の男子から借りたから

別に平気だけど...。転校早々、私、女子から

嫌われた感じなのね!別になんもしてないんだけどさっ」


「うーん。それは多分...」



俺は思ったことを口にした。

「女子の嫌がらせなんてのは大抵が嫉妬。

俺みたいなインキャに言われても嬉しくないだろうけど、

見たところ、芸能人並みのプロポーション。

それで滅茶苦茶美人だし。

髪の毛も金色で目立つし。

なんか、自由奔放に生きてるって感じだし...!他の女子からしたら羨ましくて仕方ないんだと思うよ。ほら、うちの高校は一応進学校だから、女子は少しでも内申点を稼ぐために、本当は髪の毛を染めたいけど、我慢して地毛でいる、っていうか。本当はピアスもしたいけど、それも我慢してるっていうか...」


「...なるほど。

だから私は前の学校では友達たくさんで

特に嫌がらせなどもされなかったってことね。周りはギャルしかいなかったからねぇ。

ここはギャルは見たところ、私、ひとりだしねぇ...!!進学校ではなかったしねー。

妬みとか特になかったな。一応、私、特待生だったけど」


「へぇー、特待生か。

凄いなぁ」


「俺の推測だけど、きっとそうだと思う」


「うーん。まぁ、先生にはちくってやったから、そのうち嫌がらせも無くなるだろうな。

悪さしてたらそりゃもう内申点に響くもの」


「だね。そのうち嫌がらせも飽きてくるだろうなと思う。なんか、君、泣きそうもないし。

泣いたら嫌がらせしてるやつらは調子に乗ってエスカレートさせるだろうけど、のれんに腕押しみたいにいなしてたら、もういいか、

ほっとくか、ってなりそうだし」


「...そうね。なんか、話したらスッキリしたなぁ」


「それはよかった」


「ところでさ...もしよかったらなんだけど...」


「ん?」



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