第60話 ダンジョンマスターLv5(三人称視点あり)

【所有ダンポが1,000,000を越えております。ダンジョンマスターLvを4から5に上げますか?】


 …………ちょっと待ってくれ。今はまずい。


【所有ダンポが1,000,000を越えております。ダンジョンマスターLvを4から5に上げますか?】


 まだ隣でアスが寝ているんだから待ってくれ! 玉座に行ったら言ってくれ!


【…………】


 はぁ…………。




 ◇ ◆ ◇ ◆




 暫く眠っているアスの可愛らしい寝顔を堪能して、アスが起きたから玉座の間に向かう。

 天の声さんは早くレベルを上げて欲しいみたいだからな。


【所有ダンポが1,000,000を越えております。ダンジョンマスターLvを4から5に上げますか?】


 ああ。いいだろう。


【ダンポ1,000,000を使用し、ダンジョンマスターLvを5に上げました】


 だいぶダンポを使ってしまったな。

 160万もあったダンポから一気に100万使ってしまった。




 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐



『ダンジョンマスターLv5』


 フロア追加(9) …… 250,000


 Bランク魔物生成 …… 10,000

 Bランク素材ドロップ追加 …… 600,000


 レーダー&アラーム(5) …… 50,000

 レーダー&アラーム(6) …… 60,000


 ワープポータル(一般) …… 0


 監獄生成 …… 1,000,000


 強制収監 …… 0(監獄生成後)



 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐




 今回はBランク魔物が追加された。ダンポ1万と高いが、Cランク魔物の強さを考えれば非常に心強い。

 それとワープポータル(一般)という部分がある。これは前回のワープポータル(眷属)の一般人バージョンなのだろう。


 そして、今回一番の目玉と思われるのは、監獄生成というモノだ。

 そもそも監獄というのはどういうモノだ?


【監獄は、罪人となった侵入者を投獄する事によって強制労働させます。強制労働の成果としてダンジョンポイントを獲得できます】


 ほぉ……強制収監というところと合わせたら、もしかしたら自動的にダンポを稼ぎ続ける事ができるのか?


「マスタ~?」


「うむ。アス達のレベルも無事もう一段階上がったようだな」


「はい☆」


 モニターに映る眷属達のレベルが400から500に上昇しているのが見える。

 ダンジョンマスターのレベルが上がる度に眷属達のレベルが100単位で上がってくれるのは素晴らしい。


「それはそうと、レベルが5になったが次のガーディアンはなかったな。次のレベルか」


「魔人を捕まえてくると楽ですけどね~」


「そうだな。ただアルファ達が帰らないとなると、魔人達の動向が気になるな」


「どうですかね~大勢でやってきてくれるといいんですけど」


「ふむ…………恐らくそれはないだろう。元々あの3人を送ったくらいだ。むしろ力を蓄え始めると思われるな」


「なるほど☆」


「ではこのまま魔人共の動向を探りながらダンポを貯める事とする」


「かしこまりました」


 その日から監獄を生成するまでダンポを貯めていった。




 ◇ ◆ ◇ ◆




 とある洞窟の中。


「連絡は届いたか?」


「はっ。原因不明のため、まだ調査を続けるそうだぞ」


「そうか。アルファらしいな。そのまま調査を頼むとしよう」


「分かった」


 魔人がその場を後にすると、玉座に座って片腕を顎に当てた魔人が目をつぶる。


「…………まずいな」


 ボソッと呟いた魔人がため息を吐く。


 その時。


「何がまずいんだ?」


「ん? 珍しいな。お前がここに来るとはな」


「…………悪い予感がしてな」


「お前が? …………これは間違いないな」


「何か知っているのか?」


「王国の辺境の地からダンジョンが一気に3つ消滅した」


「一気に3つも?」


「ああ。なのにその真ん中にある街は栄えているという」


「まさか…………魔人喰いが現れたのか?」


「可能性は非常に高いな。どうする? オメガ」


「…………このままではまずい」


「お前がそう言うなら間違いないだろうが……」


「魔人喰いとの戦闘は絶対に避けなければならない。でなければ――――――喰われるぞ」


「…………昔のお前のようにか?」


「そうだ。お前も二つ角を持つ魔人。だが三つ角になった俺でも魔人喰いには勝てなかったからな」


「角を一本失う事で生き延びたと言っていたな。あの時に大勢いた角二本が大多数喰われたのなら、俺も避けたいところだな」


「ああ。理解が早くて助かる」


「これからどうしたらいい?」


「魔人喰いはダンジョンに近づかなければ問題ない。その辺境の地には近づかないようにな」


「分かった。お前はこれからどうする?」


「…………魔族領に向かう」


「ほお?」


「どうやら勇者が動きそうだ」


「勇者がいる時代に魔人喰いも現るか」


「そうだな。……………………一つ良い事を思いついた」


「うん?」


「勇者を魔人喰いに当ててしまおうか」


「なるほど。それは面白いな。俺も協力しよう」


「いいだろう。魔族領のエンハザードで会おう」


「分かった。こちらの準備が終わったらすぐにでも向かおう」


 二つ角の魔人がその場を後にする。


 残った二つ角の魔人は静かに現状を分析し始めた。

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