第12話 お茶会2


フレデリク様のお屋敷の庭園は薔薇が咲き綺麗に整えられていた


「綺麗・・・・・・」


私は薔薇を見て自然と笑顔になった


私の言葉にフレデリク様が

「良かったぁ。クロエはずっと無表情だったから今日は来たくなかったのかと思ったよ」


フレデリク様が私に優しく微笑む


「姉は緊張しているようです。また体調が悪くなったらすぐに帰りますが、失礼をお許し下さい」


「レオくんって8歳に思えないよね?しっかりしてるし、とっても姉思いだね」


「姉は僕と違って、家の中ばかりいたので心配です。フレデリク様には前回もお世話になりましたし、今回も何かやらかさないか・・・・」


「え?・・・・・私ってそんなに子供扱いされてるの?」


私は驚いてレオを見た


「あはは!そうだね、クロエはとっても美人でしっかりしているように見えるけど何だか儚くて、とても守ってあげたくなるよね」


そう言ってフレデリク様はほんのり顔を赤らめた。



3人で話しながら歩いているうちに、同じ年代の子供達の集団がテーブルを囲んでお茶を飲んでいた。



「あ!お兄様〜!!」

その集団の中から 黄色の髪をハーフアップしてピンクの可愛らしいドレス来た女の子がこちらに向かって走って来た。


「綺麗な瞳・・・・・・・・・」

私はとても可愛い女の子に目を奪われた 天使のような女の子


「わぁ!ありがとうございます」

声も小鳥がさえずるような可愛い声

「私はイザベラと申します」

そう言ってニコッと笑いかけてくれた

「僕はリシャール伯爵の息子でレオポルドと申します、イザベラ様と同じ年です」

レオは自己紹介したが私はイザベラ様に見とれてボーッとしていたらレオに

『お姉様!挨拶して下さい』

と小声で挨拶を促された


「あ・・・・すみません。私はクロエです・・・・」


慌ててお辞儀をした

「ふふっ、クロエ様レオポルド様、兄からお話しは聞いております。どうぞ今日は楽しんで下さいね」


イザベラ様はとても可愛いく微笑んだ。 そしてその可愛い声で、

「今、女子だけのお茶会ごっこをしているの。クロエ様も一緒にお茶会しましょう!お兄様とレオポルド様は少し別行動でおねがいしますね」


え?レオとフレデリク様から離れるの? 急に現実に引き戻されて血の気が引きそうだった


だって女の子の友達というか、友人と呼べる人は1人もいなかった私が侯爵令嬢様相手にお話しできるの?


「あっ!イザベラ様、姉は外にあまり・・・・・・」


「大丈夫!大丈夫!ここはイザベラに任せよう」


フレデリク様がレオの腕を引いて離れて行った。


「イザベラ!後でクロエを迎えに来るから」


「はーい」


ニコニコしてイザベラ様は私の手を握った。


「クロエ様、大丈夫です!私にまかせてくださいね」


初めてのお茶会 初めて会ったイザベラ様 初めての女の子の軍団 不安と緊張で、逃げ出したくなる




でも・・・・真実のため!!



私は自分に言い聞かせて

深呼吸して

「イザベラ様よろしくおねがいします」

イザベラ様に微笑んだ。


イザベラ様は私の顔を見て、顔を赤らめた。


「クロエ様の笑顔は女の子も虜にしてしまうのですね」



え?それはイザベラ様じゃなくて?

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