第4話 10歳のクロエ
今・・・・・・私の手にキスした?
え?
何で?
初対面の人にもしていい行為なの?
私は頭が回らなくなった
フレデリク様が
「ルーカス様、冗談はお辞めください。あなたの行動1つ1つがこの国の未来を変えてしまうのです」
「フレデリクは大げさだよ。私はルイとしてここにいるだけさ。ルイが誰に興味を持っても国は関係ない」
第一王子様がフレデリク様を鋭い目つきで睨む。 しかし、フレデリク様も負けない。
「僕はあなたの友人だから申し上げます。あなたには、もうすぐ婚約者が決まります!その方を大事になされてください。国の為です」
第一王子様の顔が少し切なそうになった そして私の方を向いて私の耳元で
『今日はどうしてすぐに部屋に戻らなかったの?』
え? 私は慌てて第一王子様の顔を見た そして第一王子様は
「クロエ、私は必ずまたここに遊びに来るからね。ルイとしてね。そして君が13歳で王宮の学園に入学するのなら私も学園に入学できるように頑張るよ」
え?話しを聞いていたの?
王子様は自分の言いたい事だけを言って、レオのところに戻って行った。 キョトンとした私にフレデリク様が
「ルーカス様に何か言われたの?」
(『今日はどうして?』)
第一王子様とは今日が初対面なはず 、しかも前回の人生でも1度もお会いしてない。
ルイ?・・・・・聞いた事あるような・・・
「クロエ?」
「あ、ごめんなさい」
「クロエはよく考え込むよね、大丈夫?ルーカス様には、婚約者がもうすぐ決まるんだよだからクロエが好きになったらダメな方だよ」
「私が第一王子様を好きに?・・・・それはありえません!」
「そう?だったら良かった」
「え?」
「何でもないよ〜あっちにたくさんの料理が並んであったよ。クロエの人酔い?が治ったなら一緒に食べに行こうよ」
「うん、そうですね」
私は笑顔で答え、2人で料理が並ぶテーブルへと向かった。 確かに気持ち悪いのが治ってる。
でもその代わりに、ものすごく気になる言葉を王子様は置いて行った。
『今日はどうしてすぐに部屋に戻らなかったの?』
いつの私の話しをしているんだろうか 前に会ったことある? 去年の誕生日会? その時すでにレオのお友達だっだの? それなら話した記憶なんてないから部屋に帰る私を見たのね。
そっか。なるほどね 意味ありげに言うから、あせっちゃった。 もしかしたら第一王子様が私をこの時間に戻してくれたのかも?とか考えたけど 絶対にありえない。 彼が私を牢屋に入れた可能性が高い人なんだもの。
牢屋に入れて放置だなんて、非道な事ができる人には見えなかったけど。 でも疑う事を忘れてはならない。 何かを信じるにはそれなりの証拠がいるのね。
このフレデリク様も、どうして前回の人生では会わなかったんだろう。 私が一歩外に出ただけで、こんなにも人生が変わるんだろうか? 何か別の力がかかっていない? 今の私にそれを知る術はないけれど、ジェミーの言うとおりに王子様と仲良くならなければ、いけない気がする。 特に第一王子様の話すことは凄く気になる。
フレデリク様と料理が並んでいるところに行くと、 お母様がびっくりしていた
「クロエ!お友達ができたの?」
お母様は私をぎゅうっと抱きしめる。
「お母様は大げさだよ。そこで具合悪いところを声をかけてもらったの」
「あら?君はサラ様のご長男のフレデリク様ね」
お母様はフレデリク様の顔を見てすぐに声かけた
「リシャール夫人ご無沙汰しております。」
「ご無沙汰って、前回会ったのは5年前だからまだ5歳の頃ですよ。随分としっかりした男の子に成長されたのですね」
お母様はフレデリク様の成長にとても嬉しそうだった。
「今日は妹のイザベラ様はご一緒じゃないの?」
イザベラ様? ・・・・・・・・・
「はい。申し訳ないのですが本日は体調が優れず欠席させてもらいました。変わり私が急遽参りましたが、僕が来て正解でした。クロエとお友達になれましたから」
フレデリクはお母様に笑顔で答えた。
「そう、お大事にね。サラ様はどちらにいるかしら?私、挨拶に言ってくるわ。フレデリク様申し訳ないのですが、クロエをおねがい出来ますか?昨日高熱を出して、まだ本調子じゃないのかもしれません。具合悪くなったらお部屋に戻しますので近くの者にお声かけてくださいね」
お母様は近くの使用人達を紹介した。
「はい。お任せください。母はまだ入口付近でいろんな方とお話ししておりましたのでそちらにいると思われます」
「そうですか。ありがとう」
お母様はフレデリク様にお礼を言うとその場からいなくなった。
「フレデリク様の妹様ってイザベラ様なのですか?」
「イザベラを知っているの?」
「いえ、お会いした事はありません。でもお話しで伺った事があります・・・」
だってイザベラ様は・・・・・
「髪は黄色く瞳は太陽のような綺麗なオレンジ色・・・・・・」
フレデリク様は黒髪に・・・・・・瞳は
「あぁ・・・・・フレデリク様の瞳も綺麗なオレンジだったのですね」
私は驚愕しながらもフレデリク様の瞳の色を確認する ジッと 見つめる私にフレデリク様も目が離せなくなった。
「クロエ、そんなに見つめられると勘違いしてしまいそうになるよ。勘違いしてもいいのかな」
フレデリク様は照れくさそうに笑った。 私はその言葉にハッとした
「申し訳ありません。ただ瞳の色が綺麗だと思っただけです。ご不快な思いさせてしまい申し訳ありません」
私はフレデリク様から少し離れて頭を下げた。 イザベラ様って第一王子様の婚約者になる方だ! さっき話してた婚約者ってイザベラ様なんだわ。
じゃあフレデリク様も関係者かもしれない。 急にフレデリク様のそばにいることが苦しくなって来た。さっきまで楽しかったのに。 真っ青になった私の顔を見てフレデリク様が
「クロエ!大丈夫?顔色が悪いよ!部屋に戻るといい」
フレデリク様がそう言った瞬間私は、その場に倒れた。
「クロエーー!」
この声知ってる 私を心配してる人の声だ。 誰だろう。 お母様じゃない。 私は誰かに抱えられ、部屋へと移動した その間に懐かしい匂いがした この香りは昨日牢屋に来てくれた人の香りに似てる
私はそのまま意識を失った。
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