天国の君へ
君がくれた『青春18きっぷ』を使って、君の作ってくれた旅程で旅をしてきたよ。
『青春18きっぷ』なんてってずっとバカにしていたけど、君がなんで『青春18きっぷ』を使って、いつも旅をしていたのかわかりました。
全ての路線で自由に乗り降りできるって、とても便利です。普通なら行こうと思わない場所や、降りようとは思わない駅で降りることができるね。最初に途中下車した猿橋なんて、『青春18きっぷ』が無かったら一生行くことが無かったかもしれない。でも、東京の近くにあんな橋があるなんて驚いた。小渕沢駅で食べた山賊蕎麦もおいしかったよ。
桜の季節に合わせて旅をできたことも本当に良かった。お城と桜は良く似合うね。浜松城と桜の組み合わせは完璧だったよ。こじんまりした掛川城や、広い小田原城、夜にライトアップされた名古屋城もきれいだった。
そして、蓬莱橋。日本にあんな橋があるなんて知らなかった。一生に一度は、
でも、三日目は天気が悪くなって、見延山に行くのは止めました。甲府でも傘が壊れたりして、東京に戻ろうとしたの。でも、途中の相模湖で大きな虹を見て、旅を続けることにしました。
その後は、君の作った旅程を変えて旅をしたけれど、それでよかったんだよね。自分では、そうしてよかったって思ってる。でも、君が私に見せたかった江の島の夕陽と、横浜の夜景はちゃんと見たよ。たしかに一人だとちょっと侘しかったけど。
そして、横浜の中華街では、素晴らしい人と出会いました。念のため言っとくけど男じゃないよ。年配の女性です。なんと、その人も『青春18きっぷ』の旅をしていたって、すごい偶然でしょ。偶然というより奇跡かな。君がくれた『青春18きっぷ』で旅をしてなかったら出会えなかった。その人とは、いろんな話をしたよ。今回の旅の事や、君のことを。
君がくれた『青春18きっぷ』で旅をして、私は少し変われた気がします。ちょっとだけ肩の荷が下りて、楽になった感じ。自由に生きてもいいんだって自分で自分を認めることができました。合わなかった会社も辞めて、転職しました。今度の職場は、とても居心地がいいです。
君に最後に言った言葉を後悔しています。本当は別の言葉を言うべきでした。だから、あの時言えなかった言葉を書きます。
ありがとう。
本当にありがとう、私に『青春18きっぷ』を贈ってくれて。
いっしょに行けなかったけれど、私を旅に誘ってくれて。
手紙を炊き上げてくれる手紙供養を千葉のお寺でやっているようなので、近いうちにこの手紙を炊き上げてもらいます。君に届くことを願って。
追伸)
5日目の『青春18きっぷ』は、行き損ねた見延山に行ってきました。日帰りで!
朝5時20分に東京を出て、片道5時間半かけて行ってきたよ。
これで、私も『青春18きっぷ』の達人になれたかな?
あいつがくれた『青春18きっぷ』 明弓ヒロ(AKARI hiro) @hiro1969
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