幼女な魔女と森の熊さん ~異世界でポーション創ってのんびりスローライフがしたいのじゃが?~
砂くじら
ぷろろーぐ
-この度はほんに申し訳ない、次元間の調整が追い付かんで巻き込んでしまったわぃ-
そういきなり冒頭から話し掛けてきたのは、何年も前に死んだはずの祖父だった。
うん、少し記憶を整理しよう。
今日も連日の激務を終え、疲れた体を引き摺るようにして乗り込んだバスで、運良く席に座る事が出来て帰宅途中にウトウトしていたら、急な衝撃を受けた所までは覚えている。
で、何で死んだはずの祖父が目の前にいるのか……
あ、そうか、俺も死んだのか?
それじゃあの衝撃は、バスが事故ったかしたんだな……
-ぁー何やら考え違いをしとるようじゃから、説明するぞい、今の儂の姿はお主が一番聞きやすい相手の姿を真似とるだけじゃ-
そう祖父の姿をした神?が言うには、自分は神の一柱であり、おいそれと姿を見せる事は不可能なので、一番、話を聞きやすい相手に見える様にしているらしい。
そして、今回の件だが、どうも異世界との次元衝突が起きた為、その余波を調節していたのだが、想定よりも被害が大きく、眷族まで総動員して何とか調整が終わる寸前で、運悪くその歪みに俺らが乗っていたバスが突っ込んでしまったらしい。
-それでじゃ、コレからの事なんじゃが、地球に戻るのであれば、詫びも込めて持っておる幸運値の底を多少上げる事になるの-
祖父神が言うには、元々、人には最低幸運値があり、基本的にそれを下回る事は無いのだが、その最低数値を上げてくれるとの事。
簡単に言うと、買った宝くじが比較的当たりやすくなる感じらしい。
ただ、今回の事故の記憶は無くなり、時間も多少戻って普段通りの生活に戻る。
-そして、これは別世界の神の一柱の提案なんじゃが、今回の件で被害を受けてしもうた者達を引き受けたいと言うのでな、そっちに送る事も出来るんじゃよ-
もし、異世界に行く場合、地球のステータスのままでは流石に難があるので、自由に
この特殊なクラスと言うのは、祖父神や異世界側の神が設定した物で、努力すれば到達出来るであろうクラスばかりなのだという。
選べと言われても、地球に未練なんてこれと言って無いしなぁ。
随分前に家族とは死別しており、仕事に追われる毎日。
心機一転、異世界に行くのも良いだろ。
-それじゃ、この中からなりたいクラスを選ぶと良い-
そう言って祖父神から手渡されたのは、一冊の古びた本。
随分古臭いが、手に持った瞬間、勝手に本が開いて空中に数多くのクラスが表示されていった。
クラスはランクA『剣聖』ランクB『近衛騎士』ランクC『騎士』ランクD『剣士』と言った具合に、上位のランクになる程、強そうな名称となっている。
しかし、一際俺の目を引いたのは、最上位にあったクラスのランクEX『勇者』と『大賢者』。
ただ、この二つは既にグレーアウトしていた。
……コレは、あの事故で巻き込まれた他の誰かに選ばれてしまった、という事か?
この時点で、二人の人物が、異世界に行っている事が確定。
ただ、気になるのはそのランクEXにはもう一つクラスが残っていた。
それが『ポーション師』と言う聞いた事も無いクラス。
事故に巻き込まれる前、仕事の合間や少ない休日の暇な時に、色々なラノベを読んだ事があるので、多少はそう言ったクラスに付いては知識はあるのだが、こんなクラスは聞いた事が無いぞ?
しかし、気になる。
他のクラスを差し置いて、ランクが『勇者』と『大賢者』に並んでいると言うのが一番気になる。
でも、これは丁度良いかもしれん。
名前だけで見るなら、ポーションに関係するクラスのようだし、異世界でポーションでも作って売ったりして、悠々自適に過ごすと言うのもアリなんじゃないか?
そう考えて、ポチッと『ポーション師』を選択した。
-うむ、お主のクラスは『ポーション師』じゃな、それでは、向こは剣と魔法の世界じゃが、新しい良い人生をの-
祖父神が満足そうに言いながら手を振っているのを見て、俺の意識は暗転した。
どんな異世界生活になるのか、不安もあるがやっぱり楽しみたい。
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-ぁ、少しは自重せいよって言うのを忘れとった………まぁ、良いかの-
-まさか儂の創ったクラスを選ぶとはの、こりゃ楽しみじゃわい-
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