51日目(6/3)ハンターってすげえ

 6月3日。今日はすんごい晴れ。


 諸事情により妹の病院につきそう。朝早く妹に「お姉ちゃん起きて!」の嵐で叩き起こされる。(妹曰く「しぶとかった」らしい)

 車の中で朝ごはんを食べながら移動。妹が診察を受けている間、私は「鉄砲館」なる場所に置いておかれる。

 鉄砲館は、この島の民俗資料館や博物館をかねた建物である。歴史的には鉄砲伝来の地として知られるこの島は、意外と歴史が古く、縄文時代から人々の生活の痕跡が残っている。古代の化石や人々の生活の跡、島に伝わる伝統的な農業や漁業、葬送儀礼や伝統行事、伝統芸能、鉄砲伝来にまつわる歴史的史料などなど、色んなものが展示されている。「うしうま」という島に生息していた生き物の骨格標本や再現も展示されていた。「うしうま」って嘘みたいな名前。見た目はほぼ馬だった。出入り口には鉄砲のレプリカもあり、これは自由に手に取ることができた。鉄の塊なだけあって、かなりずっしりと重たい。こんなの担いで走り回るの無理すぎる。

 予定では、鉄砲館で少し時間を潰し、残り時間で近くの古民家(島主の武家屋敷だったものらしい)でのんびりすることになっていた。が、鉄砲館の資料を隅々までじっくり見ようとしていたら、鉄砲館を見終わる前に妹の診察が終わる。


 それから「月窓亭」と呼ばれる例の古民家へ。ここではまず、外に射撃場があって、弓の体験ができた。弓なんてほとんど触ったことがない(大学の新歓で少し弓道を見に行ったくらいだろうか)から、わくわくでやらせてもらった。(できるのは中学生以上だったので、妹は「わたしもやりたい!」とごねつつ眺めていた)

 弓は想像以上に力がいる。生半可な力では矢をセットするために弦を引くのも難しく、狙いを定めようと弦を引いた状態をキープするのも、かなり腕の筋肉を使う。なんだこれ、難しいなあ、とぷるぷるする腕で狙った一射目。

 なんと的に命中した!

「初めてでここまでできる人いないですよ」と案内役のおばさんは大興奮。私も気分は那須与一である。

 しかし、うまくいったのは一射目だけで、どんどん筋力的な疲労が蓄積していく腕では、それ以後うまく狙うことができなかった。ビギナーズラックというやつか。

 鉄砲もそうだが、弓も、あんなに重くて力のいるものを、モンスターの攻撃をよけたり走り回ったりしながら当てていくモンハンのハンターってすごいんだな。モンスターがハンターって言葉にも納得。


 月窓亭ではお屋敷の簡単な説明とともに、お茶菓子とお茶を出してもらう。お茶菓子は「げたんは」と呼ばれるお菓子と、名産のさつまいも、黒砂糖。お茶は不思議な味のする「月桃茶」というもので、ポリフェノールがすごいとか抗酸化作用があるとかアレルギー体質を改善するとか、とにかくいろいろな効用があるらしい。

 歴史好きの私と母はぐいぐい話を聞いていたが、妹は途中で飽きて、池の金魚を眺めていた。


 それから、母は所用があり税務署へ。その手続きをしている間、妹と公園で遊んで待つ。大きな遊具のある公園で妹につきあっていたら、帰る頃には足がだるくなっていた。あみあみのはしご(?)がある遊具なんて何年ぶりに乗っただろう。

 公園の中には脈絡なくゴリラの像がたたずんでいてびっくりした。


 帰ったら疲れて寝てしまい、気づいたら夕ご飯の時間である。ご飯を食べ片づけをし、お風呂に入った後は、昨日描いていた油彩を進める。「もうちょっと明暗をつけたほうがいいな」とか「もう少しまわりの彩度を落としてみようか」とか「試しにぼかしてあとからピントをあわせていこう」とか、色々と試行錯誤ができるのが油彩のいいところだと思う。


 明日はまた教習所。免許までもうあと少し。


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