21日目(5/4)ノーベルえらい賞

 5月4日。今日は少し調子がいい。熱はまだ下がらないけど。

 午前中はだらんとする。10時のおやつに祖父母とご一緒する。キットカットのイチゴ味を食べながら、祖父のしていた仕事の話を聞いた。種苗の管理をする公務員だったらしい。母曰く、祖父は11人兄弟の末っ子で、相続できるものがないからと、兄弟たちが協力して大学の学費を出したそうだ。祖父の人生もなかなかに興味深い。

 おやつを食べ終わって少しした頃、母たちが買い物から帰ってくる。お土産に「回転まんじゅう」なるものを買ってきていた。大判焼き、今川焼き、回転焼きなど地域によって名称が異なりまくるアレである。焼きたてらしく温かい「回転まんじゅう」はとても美味しかった。


 その後、祖父母と母一家は磯遊びに出かける。私はまだ熱があるのでお留守番。

 何を思ったか過去のエッセイ(十九歳で家から逃げました)を読み直し、フラッシュバックでバッドトリップする。アホである。

 あれは「吐き出すことで少しでも気持ちを整理したい」と思って書き始めたものだったが、「書く」ことで忘れていたものも多くあったのだと気づく。こんなことも言われてたなあ、と思うとつらかった。

 私の部屋の窓から繋がる納戸には、立派な梁がある。いつだったか、「あそこ、首つりできそうだなあ」と思ったことが脳裏によぎり、気を抜けば吸い込まれそうになる。こんな時に限って家には誰もいない。自分との戦いである。


 うかつに一人で過ごしていては吸い込まれそうだったので、スペースをしながら、例のエッセイを小説にしようと試みる。あの形ではこれ以上の発展はない。あるフォロワーさんからは「エピソードを削り、福祉の穴に着目した記事を書いてはどうか」と提案されたが、私は逆に、小説仕立てにしてどこかの賞に応募してみることを思いつく。完全な私小説である。

 とはいえ、楽な作業ではない。それでスペースで他の人の存在にすがることにした。話しながら作業をしているうち、虐待の二次加害の話になる。

 色んな記事だのエッセイだのを書いているものだから、ツイートがバズった際などには、「結局毒親ネタで稼いでんじゃん」「親大好きじゃん」みたいなことを言われることもある。その件について話したところ、「自分は発信する側になる勇気がないので、発信してもらえるのはありがたい」とのお言葉を賜る。

 ものすごく元気づけられた。


 それからメンタルの調子がやや戻り、今度は依頼されていた実体験ベースの小説に手をつける。第一話更新後、今度は「親ガチャ」に関する記事(4/30日分のコピペだが)と、「毒親育ちビンゴ総集編」に手をつける。どちらも終わらせることができた。


 しんどさに苛まれながらも、今日はたくさんのことができた。

 自分をたくさん褒めようと思う。


 えらいぞ、私。

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