女神の飼い猫を助けたら、異世界に強制連行されたのですが⁉
紫泉 翠
一章 古代遺跡編
第1話 猫を助けただけなんですが?
どこにでもいそうな平凡な身だったが、魔法が使えるようになったことで世界が一変に変わった少年ーアルバート・ウェルネス。
そして、そんな彼と魔法学校で知り合った真面目な美人貴族ークレア・ホープキンス。
この二人を中心として織りなされるバトル小説『ラスト・ウォー』
その作者である青年ー
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桜が舞う街中のマンションの一室、一人の青年がパソコンに向かって作業をしていた。
「ふぅ、これで今日しないといけない課題とかは、終わりっと。バイトの時間あるし、少し休むか…」
なんかと部屋にいた少年は独り言ちてから寝た。
しかし、何故か一向に寝れない。
『今思えば、あの時からこっちに来るってことが決まっていたのかもしれない。』と彼はのちに話していた。
暫くしたら彼の部屋のドアが開いた。
「お兄ちゃん!!」と女の子が部屋には入らず、廊下から声を張り上げていた。なんで入らないのかは、まぁ置いといていただきたい。
「はいはい、なんだよ𣷓さん」
「私、今からバイト! いないから! じゃあね」と彼の妹ー
「ヘイヘイ、分かりました。それじゃあ、俺はもうひと眠りいたしますか.........」
彼が窓側にある自身のベッドに向かっている途中リュックサックに入れっぱなしであったスマホが鳴った。
どうも、バイトに出勤する時刻を忘れぬためにタイマーを設定していたらしい。
「えっ!? もうこんな時間? やべぇ! 店長に𠮟られちまう!」
なんてドタバタして、こんな時は良い事なんかないんだよなー。
現に、彼はその後いつも乗っていた電車に乗り遅れるわ、信号で引っ掛かりまくるわで、結果としましては盛大に店長の逆鱗にお触れになってしまわれました。
「はぁ~、なんで今日はこんなにもついてないんだよー」がっくりとうなだれている青年。
そこに、一人の少女が後ろから現れた。
「先輩! 柊先輩! こんなところで何してるんですか? 邪魔ですよー」
「むん? 悪い、
「はい、ありがとうございます。っていうか!いつになったら
と言いつつ少女が隣を通り過ぎ、ことが終わるかと思ったがそこからが始まりであった。
何がって⁉
それはー、言わない方がいいと思うから言わなーいwww
「先輩、今手空いてます?良かったら、今出来上がったピザ配達してもらってもいいですか?」
彼が、バイトしているお店【オルス・レーヘン】は、人気のピザのチェーン店なんです。
「ああ、いいけど。配達先、どこ?」
「えーっと…。西京市
「了解。それじゃあ、行ってくるわ。」
「詳しい住所は聞かなくてもいいの!?」
「うん? まぁ、走入場矢でラジオ事務所って言ったら、デイサトのとこだろ? って、ちゃんと敬語を使おうぜ。」
「まぁ、そうなんですけど。はい、すみません。」
「というわけで、行ってきまーす。」
さてさて、ここで多くの人が疑問に思うであろうことを解決しておきましょう。
先ほど、柊君と椋羅ちゃんの会話に出てきていたデイサトについてだねぇ。
デイサト ー 本名? 『デイリーサテライト』は、走入場矢にあるラジオ事務所【
旅好きな普通のDJ
椋羅ちゃんはこの番組が、とある理由で好きなんだよねぇ…。さてと、話を戻して柊君の動向を確認していきますかー。
ふむ、どうやら配達は無事済んだようだね。
よーし、漸くここからが彼の運命の分岐点。
「うーん、疲れた…。早く戻って、ほかの仕事しないと…。」とグッタリした状態で配達用のバイクを押している、柊。
それもそのはず事務所があるのは五階建てビルの最上階。いつもはエレベーターを使うのだが、本日は点検中で使えなかったため階段で一気に五階まで上がって、下がってきたのである。
そりゃ、疲れるわ。私だって、
どういうことかって?それは.........追々わかるよ。
「そういやなんか今日は運が悪いなぁ…。」
うん、確かに…。しかもまだ軽い方だからなぁ…。もし
まぁ、
ということでして、結論から言うと悪いことが起こります。
ですが、それは彼の活躍の始まりに過ぎない。
なんかと意味深な前置きをしておきまして、何が起こるかの見ていきましょうか。
「うん?なんであんなところに猫がいるんだ?野良猫か?」
そう、彼が気にしているのは青信号の横断歩道をまるで人間であるかのように、渡っているソマリのような茶色の毛を持った猫である。
歩道者用の信号が点滅し赤に変わろうとしていた。それに気づいたのか猫は急いで渡り切ろうとする。猫は、残り約三分の一の位置にいた。
「猫は跳力があるから、まぁ、心配せんでも大丈夫だろ。しかしなんでだろ、いやな感じがするなぁ.........。」
猫がもう少しで歩道に着こうとしていたところ、まだ信号が赤であった車道から一台のトラックが猫に向かって進んできた。
一向にスピードが下がらない。
もう一度言うが、信号は赤のままだ。
しかもよく見るとすごくフラフラとしている。センターラインを越えてみたり、歩道のガードレールに車体をぶつけてみたりしていた。
「もしかして、あのトラック居眠り運転か⁉」
もしそうだったら、あの猫が危ない!
しかしながら、ほかの町行く人々は猫に気がついていないようであった。柊は、そのことが少し気にかかっていた。
『なんでみんな気づかないんだ?
しかし、分かっているのに見捨てるのはどうかと思い、押していたバイクを捨て、横断歩道へと走り出していた。
トラックが迫って来るギリギリで猫をかっさらい、歩道へ.........
パァパァァアァアアァ--------------
盛大なクラクションの音と、それに準する程の悲鳴、そしてトラックであろうものが激突し、身体が内側から破裂しそうなほどの激痛が走る。
この三つが柊の意識を闇へ追いやった。
--------------時空の狭間--------------
パッパラパーン
「ようこそ!! 貴方は交通事故で死にました。そしてそして、あなたは通算1000万人目の異世界転生者となります。なので、この時空の狭間に来てもらいました!!!」
「……はぁ?」
気が付いたら、柊はよく分からない場所にいた。自分が今いるのはなぜか季節外れだと思われる炬燵の中。そして、目の前には会ったことがないと思われる少女。そして、背景はこの空間をぐるっと囲っている白いカーテン、以上。
「えーっと?俺は死んだの?」
「はい。まぁ、正確にはまだ死んでませんけど。」
「どういうこと?」
「簡単です。植物状態になったんです。」
トラックにぶつかり、あれだけの激痛だったがどうも死ななかったらしい。
幸運なのか不幸なのか。
「ああ、なるほど。それでよく分からないけど、ここに連れてこられたと。」
「そうですね。ここは時空の狭間です。あなたがいた世界とこれから転生していただく世界の狭間の空間です。」
「へぇー、何で俺こんなとこにいるの?」
「転生者1000万人記念です。」
「ホントに?」
柊には、彼女が何か企んでいるように思えたのである。
「あれれ~?バレちゃいましたか? えへへ、実は貴方に頼みたいことがありまして」
「何だよ。焦らすな。俺、短気なんだ。」
「ムフフ、そんなこと知ってますよ。お願い事っていうのは簡単です。私を助けてください。」
「はぁ!!?」
おやおや、これはどういうことでしょうね。詳しいことは次回。またご覧くださーい。
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