第3話 薬治療
糖尿病の治療が始まって、飲み始めたのは『メトグルコ』という薬だった。
この薬は飲み出すとお腹を下しやすいという事で、調整剤も一緒に処方された。
お医者さん曰く、この薬は体重を減らすことにも期待が出来るものなので、何とかお腹をくだす方は耐えてほしいと言われた。
一緒に処方されたのは、調整剤だけでは無い。
脂肪肝の薬と、尿酸値を下げる薬もだ。
糖尿病の今後の治療のために調べた血液検査で、それらの数値も高めである事が分かったのだ。
脂肪肝については、太っているからだろうとの事だった。
実は癌の治療の少し前から、血圧の薬も始まっていたので、一気に飲む薬が増えた。
そのほとんどが朝だけ飲む。
例外が一つだけあった。それが脂肪肝の薬である。
私には『ユベラn』という薬が処方されたが、その薬だけは一日三回の毎食後だ。
あまりに薬の種類や量が多いため、手の小さい私は、いっかいぶんを手のひらに乗せれても、上手く全てを口に入れる事が出来なくてこぼす事も出てきた。
そのために薬を入れる専用の器を用意するようになった。
そして薬の飲み忘れや一部、飲み忘れを防ぐために
お年寄りが使っているような、カレンダー式のピルケースを欲しがったのだが、夫に私がうまく使いこなせなくてどうせ使わなくなる、と却下された。
そのため苦肉の策として、その日の分を専用の器に入れた薬は、薬のシートを裏返して私なりの「今日は飲みましたよ」の印にする事にしたのだが、これは地味に良かった。
この頃はがんセンターで処方されていた漢方薬もあったので薬を飲むのは一口では終わらない大変さがあったのだ。
大変だったのは飲む大変さだけじゃない。
それだけあれば、経済的にも大変だ。
病院に行く周期は50日ぐらいだったのだが、その間の一回の薬代は一万弱いっていた。
糖尿病の先生は、状態が良く慣れば薬も減らせるし卒業できる場合もあると言った。
「そうだよね、元が抗がん剤の副作用だもんね。抗がん剤が終われば良くなっていくはずだよね」
そう思っていた私の考えは甘かった事がこの後、今現在も治療が続いている事で分かるのだった。
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